令和6年1月3日 10時より

前年に生まれた男の子の鼻をつまんで泣かす伝統の「なんなる」行事 

西浜町の大歳神社で執り行われました。

 

 

神社の入口に「なんなるの宮」と刻んだ石碑の文字が

だんだん見えなくなって歴史を感じます。

 

「なんなるの宮」とは元の賽(さい)神社のことで、江戸時代の

明細帳によれば創建は天明元年(1781)以前となっています。

賽神は悪霊・災いを防ぐ神です。

 


石碑の裏には、次のような説明があります。

 

 

陰暦の正月3日に、前の年に生まれた男の子全員をこの神社に集め、
お参りして指で鼻をつまみ、泣かせて帰る風習が古くから西浜村の

大切な伝統行事「なんなる」として、こんにちまで受け継がれています。


「なんなる」とは、神道の一派の鳴神神道からでた言葉で「なるかみ」が
「なんなる」となったと考えられています。
神を畏れ、神を敬う行為で、日本全国でも稀なことだといわれています。
          昭和60年10月

                   西浜町一同

 

 

 

伝承によると、江戸時代には行われていたとされ、村の子どもが神隠しに

遭った時、子どもを神社に連れて来て泣かしたところ無事に育ったとのこと。

古来より村人はこの風習を「なんなる」と呼んで継承しています。

 

名の由来は、「泣き声を神様に聞いてもらい守ってもらったら災難がなくなる

ということから、縮めて「難が無くなる」、訛って「難無(なんのう)なる」、

それを村人はさらに言いやすく「なんなる」と呼んだものと思われます。

 

 

 

大塩天満宮の宮司 にお祓いをしてもらった後、鼻をつまんで泣かせ、

「泣き声」を神様に聞いてもらい、ご加護を授かるという伝統行事に

今年は、西浜地区在住や出身の5家族が参加しました。

 

 

 

  

 

  

両親や親族が見守る中、なかなか泣いてくれない子がいると周囲は「がんばれ、

がんばれ」と励ましたり、終始和やかな雰囲気でした。

 

 

 

 

そして元気な泣き声を上げた子に「ごめんね」と宮司のやさしい

声かけが印象的でした。

 

 

 

神戸新聞の記者さんが取材に来られていました。

 

 

トルコの大学の先生も取材に訪れていて、いよいよ西濱の奇祭が

世界進出なるか!と地域のことを発信している身としては嬉しい。

 

トルコといえば、和歌山のエルトゥールル号遭難のことが浮かびます。

日本とトルコとの友好関係が今も続いています。

 

 

 

トルコの大学の先生曰く、日本の珍しい行事に興味をもっていて、どう発表

するかまだ分かっていないけど記録として残していると言われました。

 


 

「なんなる」 は自治会役員が参列して、この行事を執り行っています。

 

 

いつの頃か現在のように簡素化され昭和時代末の頃までは、親族一同が 

破魔弓 を持って参詣し、本殿に上がってお祓いを受けた後、神主が子供の

鼻をつまんで泣かせ、泣き声を神に捧げて身体安全を祈願していました。

 

 

明日、もしくは明後日の朝刊が楽しみです。

 


 

 

 

 

 

大歳神社(なんなるの宮)
兵庫県高砂市北浜町西浜字垰山