昨日は、別府公民館の地域学講座を受講しました。

 

講師は 播磨学研究所所長・小栗栖健治先生 です。

 

 

晦日の夜、(中略)亡き人のくる夜とて魂祭るわざは、比都にはなきを、

東のかたには、なほする事にてありそこそ、あはれなりしか。。。。

 

これは、吉田兼好の「徒然草」にある大晦日の様子です。

大晦日の夜に、亡くなった先祖の霊が子孫の家に帰ってくるという、お正月に

ご先祖様を迎えて一年の幸せを願った。鎌倉時代からこのようなことがあったと

いうお話から始まりました。

 

お盆に先祖の霊を迎えることは、知っていましたが、お正月にも迎えることは

知りませんでした。

 

 

鬼追い(修正会)は、悔過会(けかえ)が発展したのだそう。

兵庫県を代表する鶴林寺の鬼追いの話に突入!!

 

 

 

毎年1月8日に

鶴林寺では新年の恒例行事として「鬼追い(修正会)」が行われています。

 

今年の鬼追いには播磨学研究所所長ご夫妻とご一緒させていただきました。

写真は、その時のものです。

 

 

 

本堂内陣に3本の「鬼の花」が立てかけられています。

 

中央の赤い3把は早稲(わせ)、名稲(なかて)、晩稲(おくて)に

みなされて儀式の中、たれ具合で作柄を占うものです。

 

 

牛玉印(柳の割札)

先のほうにお札が挟んであります。苗代時、源口に立てるのだそうです。

 

 

 

鬼が持つ松明

最近は防犯のため、あらかじめ先を焼いたものを使うのだそうです。

 

 

鏡餅

穀霊に息吹を与えるため

 

 

 

灯明皿(晴雨の占い)

12個並んだ器にが、油が注いであります。(うるう年は13個)

この燈明は1年12か月を表し、明るい月は晴れの日が多く、暗くなるに

従って雨に日が多くなるといわれています。

 

 

鬼の花(鬼の花の占い)

 

 

 

儀式の際、鬼役が被る「追儺面(ついなめん)」は、室町時代に制作されたと

伝わり県内最古のものといわれています。 

 

 

 

 

法要が終わると、小鬼たちが、柳の杖で床を突く八拍子のリズムに

合わせて仏様の影から赤鬼と青鬼が登場し、赤鬼は左手に斧、右手に

松明を持ち、青鬼は矛を持って大きく四股を踏み進んでいく動作を

繰り返しながら堂内を7回半まわります。

 

 

鬼たちが子供たちを威嚇したり暴れます。

 

 

 

鬼たちが改心しておとなしくなると、災難を落とすという意味を込めて

つりさげられた餅(厄)をつついて落とします。

 

 

本堂での行事が会わると、外では餅捲きが行われますが、来年も

餅撒きは行わず配付される事になっています。

 

 

参拝者の額に宝印            2019年1月8日撮影 

今年は中止でしたが、来年はされるようです。 


鶴林寺の鬼追いの行事は、こんな風に行われています。

 

 

 

続いて

円教寺の修正会(鬼追い)は1月18日に行われています。

画像は、お借りしました。<(_ _)>

登場する赤鬼は毘沙門天、青鬼は不動明王の化身と伝えられています。

本堂の外陣と内陣を仕切る格子戸の天井に、桜の花をイメージした

鬼の花(造花)が飾られます。長押には大きな鏡餅が三つかけられます。

 

 

鬼追いは本堂を少し登った十一面堂の拝殿と本堂の内陣で行われます。

鬼は本堂と十一面堂を移動するとき、黒い頭巾をかぶるそうです。

それは、夜をイメージして行っているため、昼間は顔を隠すのだそうです。

 

 

 

圓教寺の鬼追いは行ったことがないので、興味深いお話でした。

特に、黒頭巾をかぶって移動する鬼を観てみたいと思いました。

 

続いては長田神社の追儺式へ→

 

 

 

 

刀田山 鶴林寺

加古川市加古川町北在家424

電話:079-454-7053

 

 

 

書寫山 圓教寺

兵庫県姫路市書写2968

電話:079-266-3327