これは上衣で「さっくり」と呼ぶらしい。
これは女性物で、下に合わせてある衣服より
大分色が薄い。というのは、
藍染めは男性の衣服から染めていくので、
自分のは最後となり、
そもそも最初から色が薄かったのだそう。
この辺りから毒親育ちの自分が顔を出す。
料理の取り分け・お風呂の順番・物事を決める等、
いつも一番最後だった。
「あんたは一番身分が下だから」
ドクン、ドクン・・・
心拍が上がってきた。
「まずい、パニック発作の前触れかも」
こんな所で発作を起こすわけにはいかない!
大丈夫、これは昔の話、自分には関係ない。
そう言い聞かせ、説明文に引き込まれ
全部のパネルを読んだ。
嘘でしょ?
うつ病になってからA4サイズの
書類を理解するのも一苦労だったのに。
これは昔の話、自分には関係ない。
もう一度そう言い聞かせ、
お店の方にバレない程度の深呼吸をする。
子どもの頃を思い出すとかじゃなく、
私この空気感知ってる。
石徹白の藍染めは三件が一組となり、
この年はこの家、というふうに
藍の窯が使える家が決まっていたそう。
そして家の中で上位の人の衣服から染めていく。
最初の写真の「さっくり」の持ち主は
その中で最下位だったということになる。
そして色の薄い服を着る。
その家の中の順位は着衣で一目瞭然で、しかも
毎日自分が目にすることで自己肯定感も下がる。
男尊女卑の中、更に女性社会の中にも優劣があり、
下の下の立場になると
人としての尊厳すら保たれない。
ここから出たい!
けれど山を越えられないから逃げることもできない
私は一生このままなんだ・・・
・・・
いや、2〜3時間後に帰るよ?
車、あるよ?
そう我に返るまで意識がどこかに飛んでいた。
我に返ったら心臓のバクバクも治まり、
「ただいまー」
という店主の声で苦しい世界から帰ってきた。
当時の風景。
驚きなのは、馬や人がなかったら
今の景色と同じだということ。
今回の話はあくまでも、いずみの育ちが悪く
自己肯定感が低すぎた過去を持つ人間独特の
色眼鏡をかけて見た結果、
おかしな所に行ってしまったというね。
毒親育ち、ダメ人間目線での話。
(ちなみにパニック障害は完治しているのに
心臓が苦しくなると不安になるという悲しい性)
実際には大切に物が保管され、
語り継いでくれる人がいるという、愛の伝承。
個人についても〇〇な人だったと、
敬意を持って語られている。
こちらは冬用ブーツ。
石徹白✖️マルジェラコラボ







