場所選びもその一つ。
平日か休日か。
晴れなのか曇りかはたまた雨か。
それまでの状況。
何時から始めるのか。
費やせる時間はいかほどか。
そんな事を鑑みながら場所を絞る。
初めてバスを釣った場所は川を堰き止めた場所で近くに砂利池が二つ。
手前からテトラが2mくらい沈んでいる幅5mほどのテトラ帯、向こう側は中洲になっていて鬱蒼としている。
そのさらに向こうには7mほどの川幅を挟んで岬が伸びていてそのさらに向こうが広大な池のようになっている。
テトラ帯を横目にしばらく歩くとまっすぐ伸びた堰があり、休日バサーはその上で釣堀のように並んで釣っている。
堰の手前もちょっとした草野球場くらいの広さになっているが、そこをラジコンボートが唸りを上げて跳ね回る、始まると釣りにならない。
他にも水上バイクが夏になると走り回る。
それさえなければ最高の釣り場なのだが。
また、雨季と乾季で水位が大幅に変動し、全く違った池になる。
中洲は陸続きとなり、流れ込みは消え、二つの皿野池になる。
こうなると逃げ場のないバスたちは二つの野池に押し込められウロウロ回遊するしかない、最も釣れるのがこの時期。
様々な条件の揃ったこの釣り場はさながらバス釣りのテーマパークといったところか。
バス釣りを始めてからしばらくはそこだけに固執してやっていた。
それはそれでためになったと思う。
釣れないのは腕が悪いからだ。
ではその腕とは何?
キャストの正確さ
持っているルアーの数
そのルアーの使い方、知識
知っているポイントの数
そのポイントの表情、観察
タックルやラインなどの品質
釣り上げた魚の数
釣行回数とトータル時間
他にも数え上げたらきりがない。
これら全てを熟知し、詳細に、正確に、敏感に、完璧に。
最大の集中力を持って。
その辺が腕の差になるんだなと最近気づいた。
例えば5個しか持ってないのと100個持っているのではそれだけでチャンスが増える。
いいタックルと悪いタックルではトラブルや投げやすさの違いで集中力に差がつく。
つまり腕の差とは小手先の数やテクニックだけでなく、魚を取り巻く自然環境に対して真摯に向き合う気持ちの差のような気がするのである。
魚を、水を、流れやにごりを、天候、気温、水温を、そして自分自身を常に観察し、変化を捉える。
そうやって、ポイントを幾つか周り、知識を得てゆく。
その中からまずどこでやるのか、場所を選択するわけだ。
答えは意外と単純で、水がきれいで小魚が多く、ブラックバスやブルーギルの生息数が多いポイント。少しでも条件を満たす場所を選択し続けたら一箇所に固執し続けることに比べ格段に釣果は上がるはずだとおもう。
こんな当たり前のことに、
気づいたのは最近だ。