身体操作の向上が楽しみとなれば、こんなに幸せなことはないです。

 

自分の体の状態が一番の関心ごとなんですから。

 

階段の上り下りが上手くなっただけで「あ、これめっちゃ楽やん。大発見!!」なんて気持ちになるし、「90歳になっても蹲踞がスムーズなかっこええ爺さん剣士になったる」なんていう健康的な夢さえあるのですから。

 

しかも、ただ生活することで身体操作の向上を練っているのですから、誰の迷惑にもならず、何の経費もかからない。

 

いい車を買って使うより、歩行動作を練りたいわけですし、歩きながら切り返しの呼吸法を練ったり、電車の中で立って揺れに応じた膝の使い方を練ったりします。

 

手段として車を使うときでも、運転姿勢や車の動静に合わせた正中線を探ったり、燃費のいいロスのない運転技術を模索したりするわけです。

 

目標に近づく努力じゃなく、目標に近づくのが楽しいからそうしてしまう。

 

物欲からも解放され、気づきを得るたびに世界が広がり(深まり)、今すでに身の回りに存在していることの有難さに浸れる。

 

本来の武道の価値はここにあると思います。

 

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