剣道は、日常生活が現われるものです。

ですから、剣を振る稽古が、主たる稽古になっていては全く稽古が足りないと感じます。

 

普段から身体を捻じって腕を大きく振って地面を蹴って歩いたなら、当然に剣道も身体を捻じって床を蹴って動くこととなります(伸展動作)(重力に逆らう)

 

普段から身体を捻じらず腕を大きく振らず地面を蹴らずに歩いたなら、当然に剣道も身体を捻じらず床を蹴らずに動くこととなります(屈曲動作)(重力と協調する)

 

前者はあたかも坂道を上るような上昇方向に身体が運ばれます。

面を打つ際に低い姿勢から始動する感じ(重心は高いまま)。

 

後者は坂道を下るように下降方向に身体が運ばれる身体操作になります。

面を打つ際に頭が高い位置の姿勢から始動する感じ(重心は低いまま)。

 

重力に逆らって筋力で動くか、重力に逆らわずに重心落下を利用して動くかの違いです。

つまり動作原理が全く逆なんですね。

 

どちらの動作原理を日常生活の基本にするかによって剣道は全く違うものになるということです。

 

話を元に戻しますと、日常生活が最も時間を使う稽古であり、あらゆる場所が稽古場となり、その日常生活での身体操作が、当然に道場での剣道に大きく影響することを認識すべきだと考えます。

 

身体操作だけ見ても、「日々是剣道」とはそういう意味で解釈すべきだと感じます。

 

ですから、最も稽古している足さばきは「歩み足」と「開き足」なのですから、剣道でそれを自由自在に使えないというのは普段の生活が悪いということにもなります。

 

就寝以外の全ての生活の時間と場所が、最も重要な稽古場だと考えています。

 

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