神経や精神の医学の分野で「内受容感覚」という言葉があることを知りました。
自律神経(交感神経と副交感神経)は、本人の意思にかかわらず仕事をし、自律神経が感じた情報を脳に送り、その情報をもとに脳も色々と指令を出すわけです。
体内に起こる心身の変化について、自律神経が脳に情報を送り、これを脳が受け取り情報処理することを「内受容感覚」というようです(素人の解釈として大体こんな感じかな)。
内受容感覚が正常に働けば、自分の体調の変化も感情の変化も敏感に感じ取ることができるのですが、内受容感覚の感度が悪いと自分の体調の変化にも感情の変化にも気づきにくくなり、病気が進行しやすいそうです。
さらに、内受容感覚が働く人は、他人の体調や感情の変化も敏感に感じ取れるそうです(他人の笑顔につられて自分も無意識に笑顔になったり)。
つまり、「肌身で感じる」とか「第六感」といったものは、仮説ではなく医学的根拠があるわけですね。
さて、ここまで読んでピンときた方は、さすがです。
当然に、剣道に置き換えられますよね!!
私も「内受容感覚」という言葉を知った時は、「おお!不動智に医学的根拠があるやんか!!」となったわけです。
相手の気配の変化を感じ取れるためには、内受容感覚の感度が高いレベルにある必要があるということですね。
無意識に働く自律神経が機能することを敏感に察知できれば、相手の気配の変化を感じることができるということでしょう。
時代劇なんかで出てくる「殺気を感じる」なんてのも、内受容感覚の働きによる違和感の感知に他ならないと思うわけです。
いつも「内部感覚が大事」と考えてきましたが、相手を威圧するような気迫を表に出そうなんて意図すれば、内受容感覚が鈍る感覚があったからそう考えてきたのだと自己分析できました。
そこで、先日の立合稽古では、自分の番が回ってくるまで自分の全身の「トクッ、トクッ、トクッ」という脈拍と、内耳の「キーン」という音に耳を澄ませるようにしてみました。
結果、今までの立合では感じたことのないほどの深いリラックス状態で、半分目を閉じたような感覚で立て、無意識の技がスムーズに出ました。
以前から感じてはいたのですが、「ああ、ここまで感じられるのか!」と新たな段階に入れたと思います。
今までやってきたことについて、医学的根拠をもらった気持ちになり、深いリラックスと気力の充実を感じることが出来、まだまだ高められると確信をさらに強くしました。
また、内受容感覚は体調変化も心理変化も分け隔てなく同一に扱って感じるものである点も、私の感じていたことと同じだったので、「おお!やっぱり、そうやん!」と医学的根拠をもらった気分です。
今回は一気に3段階ぐらい大きな気づきを得ました。
いや~、有難い。
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