『ふるいせんろのかたすみで』 | クラバートのブログ

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2010~すきまの時間に読んだ大切な本たち(絵本・児童書中心)のなかから選んで、紹介します。小学校の図書室を16年勤務後、現在も読み続けています。

『たそがれえきのひとびと』

がタイトル・翻訳者・出版社を替えて再版されました。

大好きな絵本なので、再投稿いたします。

 

日本の老人ホームでは、間取りも部屋の様子も似たり寄ったりになると聞きますが、この絵本の住人たちは各々がその人らしい部屋で、自分らしく暮らしています。そこがまず好き。私も「せんろながや」の住人とたいして違わない年となりましたが、ワクワク感は今も変わりません。プレミアム価格だったため購入がかなわなかったのですが、やっと買い求めることができ手元にやってきました。

 

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鉄道はとっくに走っていませんが、
古い線路の片隅にある「せんろながや」には6軒8人老人たちが暮らしています。
1号室のアデレードおばさんはきれい好き。
2号室のウィリアムは怒りっぽく、ぐちっぽく。
3号室1階のアダおばさんは本当は料理好き。2階のエマおばさんは金魚に夢中。
などなど、それぞれが身の丈のあった暮らしをその人らしく送っていました。ところが、毎週お金を出し合って買っていたサッカーくじが、ある日大当たり。

 

「せんろながや」の老人たちは、借りていた家を買い取り、
それぞれが思い描いていた暮らしを送れることに・・・。

キーピングの作品はみな大好きなのですが、
中でもこの作品は私のいちおしです。

 

セピア色の景色、お年寄りたちの微妙な表情、
願っていた生活を手に入れた後のそれぞれの満ちたりた表情・描写もリアルでいい。