『リエゾン こどものこころ診療所』コミックス1~9 | クラバートのブログ

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2010~すきまの時間に読んだ大切な本たち(絵本・児童書中心)のなかから選んで、紹介します。小学校の図書室を16年勤務後、現在も読み続けています。

主人公は遠野志保、大学病院で小児科研修中の医師の卵。

 

へまばかりで信頼を得られず、ついに「今のままじゃ君にはどの患者も任せられない」と言われ、後期の臨床研修を地方の小さな「佐山クリニック」(児童精神科・精神科・心療内科)で引き受けていただくことになりました。

 

佐山クリニックには、心通うスタッフが集まってきていて、地域ともオンオフ問わず協力関係を上手に結べているようです。なにより発達障害を凸凹(でこぼこ)と呼ぶ院長の佐山先生、ただものではなかった。志保の発達障害を見抜くとともに、患者の私生活にも大きな心で寄り添います。初診に多くの時間を費やします。ハンサムです!

 

志保も「自分が痛みを抱えているからこそ寄り添える人たちがいる」と子どもたちやその親たちに向かい合います。

 

現在、子どもの10人に1人、クラスで2~3人は何らかの障害を持ち、 “生きづらさ”を抱えたまま生活しているといわれています。

 

うつ

統合失調症

自閉症

発達障害

学習障害

多動性障害

睡眠障害

愛着障害

摂食障害

など

 

児童精神科・精神科・心療内科に通う患者さんたちの症状や家庭や学校におけるさまざまな状況をも明らかにされています。

 

義父による虐待

犯罪

母子密着

ヤングケアラー

希死念慮・自殺願望

など

 

社会問題にも踏み込んでいます。

 

知らない世界を知る手立てにしてもよし、自分や家族の内側に向かい合うもよし、精神科医を目指していく志保とくっついて物語の世界に遊ぶもよいかと思われます。面白い(^-^)v


 時代の閉塞感、大人たちの誤った舵取りに、今子どもたちは心を痛めています。世の中に優しさが溢れますように。


8巻の帯には「今、いちばん泣ける児童精神科医の物語」と記されています。