春眠暁を覚えず。睡眠の大事な時間帯 | 『日々の健康お役立ち情報とたま~に雑談』 糸島薬局 薬剤師コガのブログ

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孟浩然の詩『春暁』に「春眠暁を覚えず、処処啼鳥を聞く、夜来風雨の音、花落つること知る多少」とあります。現代語訳では「春の眠りは心地よくて夜明けも知らず、鳥のさえずりが聞こえる。昨晩は嵐の吹く音がしたが、おそらく花がたくさん散ったことだろう」。春の夜は短く、また気候もよいので、つい寝過ごしてしまうという意味です。

 

何故春はこんなにも眠いのか。睡眠は長く眠れればよい、というわけではありません。眠りの質が重要です。つまり短くても深くてよい眠りがとれていればよいわけですし、やたらと長く眠ってもスッキリとしないのもはよい眠りとはいえません。

 

中医学から見ると、春は“肝胆”の季節です。中医学での“肝”は血を蔵し、代謝と解毒、そして自律神経系の機能調節などをつかさどります。

 

中医学では「子午流注」という、臓腑に関連する時間帯について述べたものがあるのですが、この“肝胆”に関連する時間帯は子の刻と丑の刻(23時~3時)となっています。

 

子の刻(23~1時)には“胆”の働きが活発になります。胆汁の分泌、排泄はこの時間に最も盛んになり、体を修復する成長ホルモンも多く分泌される時間帯です。この時間に深い睡眠を摂ることで、翌日の活動の活力源が生まれます。逆に、この時間に起きていると胆の働きが鈍り、肝臓や胆嚢の病気にかかりやすくなります。胆は決断力とも関わるため、決断力や勇気が失われ、不安感の原因にもなります。

 

丑の刻(1~3時)には“肝”の働きが最も高まります。「肝は血を蔵する」。肝が全身の血液の汚れを取り、きれいにし、新鮮な血液を全身に送り込むための準備をします。この時間に起きている生活をしていると、汚れた血液が体内を巡り、様々な病気の原因になりかねません。

 

“肝胆”の時間帯に、しっかりと質の良い睡眠が摂れているか。日中の眠気を考えるうえで、重要な要素になってくると思われます。