カゼの時の入浴はあり?なし? | 『日々の健康お役立ち情報とたま~に雑談』 糸島薬局 薬剤師コガのブログ

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11月も半分を過ぎ、気温も下がってきて、冬はこれから。朝晩の冷え込みが厳しくなったことで、カゼひきさんも多くなってきたようです。

 

さて、日本では昔からカゼの時は風呂に入らないように、と言われたりします。しかし、シャワー文化の西欧では、カゼの時はぬるま湯の風呂に入って熱を冷やす、とか、カゼをひいたときは入浴剤を入れてバスタブで入浴する、とか言われていたりもするようです。

 

この違いはいったい何でしょうか。日本は長屋文化、一般的に銭湯を使用するので湯冷めしやすく、カゼをこじらせやすかった。西欧はレンガの家や暖炉で保温性がある、基本的にシャワー文化である。こういった文化の違いが、カゼの時の入浴の関係性にも影響していたようです。

 

結局、近年では「風邪の時にお風呂に入っても問題はないが熱が38度以上ある時や極端に体力が落ちている時は入らないほうがいい」といった説に落ち着いているようです。

 

理由として、体温を37℃以上に上げることで体の免疫力が大きくなるとか、湯冷めで体温が下がりさえしなければ大丈夫とか、熱い湯に入ると体力を消耗するのでのぼせるような風呂の入り方はNGとかいったことがよく言われています。

 

 

さて、これらを踏まえ、東洋医学で考えたときには自汗があるかないかが重要になってくると思われます。

 

自汗とはしきりに汗が出ること。体力がある方はカゼをひいて、発熱や強い咳があっても汗が出る気配がなかったりします。体力、すなわちエネルギーは足りてるのに、病邪の力が強くて症状が出ている。この状態は実証に分類されます。カゼの初期の段階では、病邪は身体の表面にとどまっていますので、体力のある実証では汗を出すことで病邪を追い出すようにした方がいいのです。

 

しかし、カゼで自汗がある場合は体力が弱くなっています。自汗とは、陽気すなわちエネルギーが足りなくなって毛穴を閉めておくことが出来ず、津液が外に漏れている状態と見れます。このように体力がない状態を虚証といいます。この状態で風呂に入り、発汗させ過ぎたりすると、さらに体力を消耗させ、カゼが長引きこじらせる可能性も出てきます。

 

カゼの時の入浴は、自汗があるかないかを確かめて判断してみてはどうでしょうか。