こんにちは。
糸島薬局の古賀です。
今日は秋の味覚の第3弾として、ナスについて調べてみます。
秋茄子の効果とは・・・
ナスといえば「秋茄子は嫁に食わすな」ということわざがあります。
一般的には、秋茄子は嫁に食わすなとは、おいしい秋のなすは、もったいないから嫁には食べさせるなという姑の嫁いびりの言葉としての意味が言われますが、反対に、なすは体を冷やす、あるいは種が少ないので子供ができないといけないから、嫁には食べさせるなという嫁を大切に思う言葉としての意味も言われており、以前は論争もあったようです。
どっちにしろことわざとしての使いどころが私には思い浮かびませんが・・・。
で、李時珍の「本草綱目」という書物には「茄の性は寒利。多食すれば必ず腹痛し、下利し、女人は能く子宮を傷る」と書かれてあります。茄子は寒性の野菜なんですね。すなわち、茄子が体を冷やすのは事実のようです。
秋口では、夏の冷たいものや水分のとりすぎから、胃腸が弱り、食欲もなくなり夏ばてがピークになります。そうした時、疲れた胃腸の熱を冷まし食欲増進を助ける秋茄子が効果あり、という事なんですね。
そして、「多食すれば必ず腹痛し、下利し、女人は能く子宮を傷る」の一節について。
冷え性で胃腸が弱く、下痢症の人がなすを生で食べると下痢することはありますが現代医学において、女性の子宮に悪影響を及ぼす物質が茄子に含まれていないことがはっきりしています。また、漬物や火を通したもので下痢をおこすことはありません。
基本的に夏野菜は寒性の野菜が多いのですが、いまや年中食べられているトマトやきゅうりなどもあるので、ナスだけが特別に身体を冷やす作用があるともいえませんが・・・。
むしろ、火を通して調理し、温める性質のものと一緒にとる調理法が多いナスは非常に使い勝手がいいと言えます。お味噌やしょうがは温性の食品ですので、田楽や、焼き茄子のしょうが添えなんかはいい組み合わせと言えます。何気ないメニューですが実はいろいろ考えられていたりするんですね。
ナスの効用としては食あたり、のぼせ、歯痛、口内炎、しもやけ、イボ、がん、高血圧、動脈硬化、眼精疲労などに効果を示すようです。
ナスは含有量こそ多くはないものの、ビタミンB群、ビタミンC、カリウム、鉄、カルシウム、食物繊維を幅広く含んでいます。水分含有率が高いため栄養価の低い食べ物と考えられてきましたが、近年はナスニンを始めとしたポリフェノールによる抗酸化作用が注目されています。
ポリフェノールは活性酸素や過酸化脂質を抑制する働きがあることより、アンチエイジングにも効果があるといわれています。
ナスには、ことわざにおいても「瓜の蔓に茄子はならぬ」や「一富士二鷹三茄子」など、良いものとしてのイメージがあるようです。秋には、おいしいナスを、暖かくしたいろいろなメニューで楽しんでください。
ナスの炒め物もおいしそうですね。