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携帯向けマルチメディア放送のその後

地上アナログ放送が2011年7月24日で停波することはご承知のとおり。
その空いた周波数帯域に携帯向けマルチメディア放送を割り当てることも決定しています。

ちなみに地上アナログ放送が終了すると、VHF帯では90~108MHzと170~222MHzに空きが出ます。
2年程前までは、2社に電波を割り当てるということでドコモ陣営のマルチメディア放送企画LLC、ソフトバンク陣営のモバイルメディア企画、KDDI陣営のメディアフロージャパン企画と三つ巴の争奪戦になりそうな感じでした。その後ソフトバンクはドコモ陣営に合流したため株式会社マルチメディア放送と、KDDIとクアルコムのタッグであるメディアフロージャパン企画株式会社の2社に決まるものと見ていましたが、電波の割り当ては1社のみになったことを最近報道で知りました。


報道によると、VHF帯の207.5~222MHzまでの14.5MHz幅を1社のみに割り当てることになり、マルチメディア放送とメディアフロージャパン企画の争いが激化しているとのこと。
ドコモ陣営のISDB-Tmm方式とKDDI陣営のメディアフロー方式、それぞれ一長一短なのでどちらの方式に決まるかは現時点では微妙な状況ですが、ユーザー視点で考えれば、そもそもこのご時勢、携帯向けマルチメディア放送の価値がどれだけあるのかは正直疑問も感じます。

料金については、ドコモ陣営は300円程度、KDDI陣営は500~800円程度の月額課金で事業計画を立てているようですが、すでにワンセグはあるしネットのオンデマンド配信、Ustream等のリアルタイム動画配信など様々なサービスが存在しており、自分自身、携帯向けの有料放送をどれだけ視聴するのだろうかと考えてしまいます。もちろん良質で多様な番組をリアルタイムに携帯で視聴できたり、オンデマンドでの配信も可能ですし、画質や音質も良いのでそれなりに一定の需要はあるでしょう。

しかしスマートフォンが主流となりつつある今、インターネットで『できること』が圧倒的に増えていますので、携帯向け『放送』ならではの魅力的な機能やサービスの発掘はかなり難しいと予想されます。正直、番組の素材で勝負する側面が強くなるのかもしれません。あるとすれば、ワンセグで言うところのデータ放送的なサービスとの魅力的なコンテンツ連携しかないようにも個人的には思います。
例えば、Twitterのようなコミュニケーション機能との連携はもちろん、GPSを活用したようなモバイルならではの情報サービスとの連携は必須ではないでしょうか。

最近、携帯向けマルチメディア放送についてあまりウォッチしていなかったので、予定しているサービス等についてちょっとTV局の知人にでも聞いてみようと思います。

Google Buzzのその後

2月10日にGoogle版SNS『Google Buzz』がスタートして約2週間、色々と状況を見渡してみると
どうやら盛り上がりに欠けているようだ。ざっと見てSNSらしく継続して利用している日本のユーザーは、
Google Buzz登録者の2割にも満たない位のように感じる。

原因についてネットメディアなどでも既に色々と言われている。プライバシー公開の問題点に加え、
やはりサービスコンセプトがわかりにくいことだろう。
Twitterであれば日本では『づぶやきメディア』というコンセプトで位置づけられて広まっていった。
FacebookやMixiは元々、学生同士の情報交換ツールとしてスタートし、その後一般に広がっていった。

ではGoogle Buzzはどうか。正直コンセプトや利用シーンが見えない。
既に皆が利用しているコミュニケーションツールと重複する機能の寄せ集め的な感じで
『Google Buzz』ならではのオリジナリティや軸となるような明快なコンセプトがない。
だからユーザーはどう使えば楽しめるのかが解らないため、次第に使い慣れたサービスに戻っている、
そんな感じだろうか。

『グループウェア的』と評している方もいたが、確かに私もIBMのLotus Notesに似てるなと感じた。
なのでアジェンダがないと話がすぐに途切れ、時間の流れと共にアジェンダは流されてしまう。
Twitterにもハッシュタグがあるし、あるいは通常の掲示板を利用した方が情報がストックされるので
話題の生存期間が圧倒的に長いはず。

また、iPhoneやandroidのスマートフォンからは位置情報付きの投稿が可能となった。
スマートフォンから投稿すると、Google Maps上に吹き出しアイコンが表示され、
タップすると色々な人々の投稿を読むことができる。
例えば友人が渋谷から自分宛にBuzzを投稿すると自分のGmailに通知が入り、クリックすると
友人が渋谷のどのあたりにいるのか地図上で確認することもできる。

私はこの機能を軸にもっと様々な利用シーンをイメージし、明確なコンセプトを打ち立て、
サービスを深堀りするべきだったのではないかと感じている。
位置情報を軸としたコミュニケーションということで言えば、類似するサービスとして
『four square』というサービスがあるが、詳細はまた後日書こうと思う。

日経新聞、有料電子版を3月23日創刊

今日、日本経済新聞社が有料のWeb版新聞を3月23日からサービスを開始すると報じた。

※記事
http://www.nikkei.co.jp/news/main/20100224ATFK2301A24022010.html


なんでも日経新聞本紙以外に、日経グループ各社の発行する媒体の記事や海外メディアのニュースも
合わせて配信し、『デジタルの特性を併せ持つ新しいメディアを目指す』とのこと。

ネット版新聞の有料化と言えば昨年、米ニューズコーポレーションがWSJを有料化すると
既に発表している。本件はなんとなくそのアクションに追従するような見え方になっている。
今後、他の新聞社もしくは、同じ紙メディアの出版社はどのような反応を示すのだろうか。
おそらく紙系メディアに携わる古い体質の偉い人たちも『いよいよか』と感じているのかもしれない。

また奇しくも発表のタイミングが、電通から『2009年日本の広告費』の調査結果が発表され、
インターネット広告費が新聞広告費を上回ったという、時代の節目を感じるニュースが
報道された日と重なったというのも何か象徴的に感じる。


▼購読料とコンテンツは見合うのか?

また購読料は紙の「日本経済新聞」の定期購読者は月額で+1,000円、Web版単独の申し込みだと
月額4,000円かかるとのこと。これは普通に考えれば、既に紙の日経新聞を定期購読している人、
もしくは定期購読を検討している人向けの『おまけ』的な料金プランと言える。

要は紙の『新聞離れ』に少しでも歯止めを掛けつつも、今回の有料Web版を新しい収益源として捕らえ、
なんとか上手く収益源の移行をソフトランディングさせたいという意図もうかがえる。
この料金プランは他の新聞や雑誌にも適応できるだろうし、既存媒体側にも好影響を与えられる
モデルなので検討できる媒体社も多いだろう。

一方で、コンテンツ構成や機能など詳細は未だ明らかにされていないが、
Web版だけ利用したくて、紙媒体はいらないという読者にとって、月額4,000円という
購読料が対価としてふさわしいものになるのだろうか。

購読者にそう感じさせるには相当な情報量や斬新な機能の充実が必要だろう。
はっきり言って、iモード等の情報配信でも数百円が相場なのに、月額4,000円を支払うだけの
価値を提供することは相当ハードルが高いと言えるのではないだろうか。

もちろん、経済や株式等の専門情報をどうしても必要だというビジネスマンや法人契約など
一定層の購読者を確保することはできると思う。しかしそこまでの情報は必要ではなく、
『記事があれば読む』程度の人々にとっては高額すぎると考える人は少なくないと思う。

おそらく、その辺は日経新聞社側も色々と検討していることだろうと思うが、
下記のようなサービスは必要だろう。これでも4,000円の価値に見合うかどうかは判らないが。

 ・記者によるニュースのリアルタイム配信(生中継含む)
 ・ほぼ全ての記事に会見やインタビューなどの動画を付ける
 ・iPhoneやAndroid等のスマートフォン向け高機能ビューアアプリの提供
 ・Web版限定のニュース、記事の配信
 ・航空券や最新商品の割引、ポイントサービスなどの会員向けプレミアムサービス

このような有料サービスは日経新聞という経済分野に特化した、比較的専門性が高い
新聞媒体だからこそ成立するビジネスモデルなのかもしれない。
数段発行部数の多い朝日や読売が仮に有料版を開始するならば、別のポジショニングで
差別的価値を提供できないと、二番煎じの魅力に欠けるサービスになってしまうだろう。
朝日なら政治や社会、読売なら生活やスポーツ分野にフォーカスするイメージだろうか。

いずれにしても1年後新聞業界がどのように変化しているのか色々な意味で楽しみだ。