アメリカ買い付け紀行『小さな塔のあるお屋敷』
今日はある“家”との出会いのお話です。
ある日の午後、山あいの田舎町までやってきた。
この踏切を越えた先に、小さくてかんじの良いオールドタウンがある。
ディーラーは少ししかいないが、早い段階で車がいっぱいになったりすると決まって訪れる町だ。
ようは、半分は癒されに来ているといったところ。
この日もそうだった。
しかしうっかりしたことに、この日は月曜日。
ここのディーラーたちの定休日だったのだ。
半分癒され・・と書いたものの、もちろんあとの半分は仕事なわけだから
さすがに「しまった~」と残念無念になる私。
次へ移動・・と思ったが、
「せっかくだからちょっとブラブラしてみようかな」という気持ちがわいてきた。
次のブロックまで行ってみようと足早に進んでいると、
大きなガソリンスタンドに邪魔されてうまく見えなかったのだが、
オールドタウンをいちばん端まで来たところに、立派なヒマラヤ杉のかげが。
そしてそこから急勾配の切り妻屋根、しかも大きくて古い、が見えた。
素敵なビンテージ家具が見つかったときと同じくらい胸が高鳴った。
そして現れたのが・・・・
瀟洒なビクトリアンハウス!
複雑で急勾配の切り妻屋根、アシメトリーな佇まい、そして小さな塔がある。
しかも大きい・・・。
これはビクトリアンハウスのなかでも、
1800年代後期にイギリスで生まれて、アメリカの富豪たちが当時こぞって建てた、
イーストレイクスタイルと呼ばれる建築だ。
可愛らしいビクトリアンハウスはLAでもよく見かけるが、
こんなお屋敷がどうしてここに・・・・。
ビクトリアンというと、レースとか真っ白な家具とか、
ロマンチックな文化ばかり日本で紹介されていて、ちょっと残念に思うのだが、
実直さがあるところに甘さが加わった・・・、これが本当のビクトリアスタイルだと思う。
石碑がたっていて、それによるとこのお屋敷、
1800年代後期にホテルとして建てられたのだが
建ってから数年後にカリフォルニアの土地開発のバブル(バブルとは書いてなかったけど)が去り、
経営難に追い込まれて、じきに閉館になってしまったのだそう。
その後、他州(ワシントンとか東部だったと思う)の大金持ちの手に渡り、
近年になって大金持ちの子孫の寄付により、今はこの町のサロンとして残ることになったのだそう。
サロンは閉まっていた。(月曜が定休日なのかな・笑)
小学校のとき、国語のノートの表紙にチューダー様式のお屋敷が載っていた。
中はどうなっているんだろう!
授業そっちのけで、「入るとこう」「階段はこんなふう」「じゃあ台所のかんじは?」・・・
お屋敷の中の様子に想像を巡らすのが、楽しみだった。
この、昔ホテルだったお屋敷も、同じように想像を巡らせてみた。
空が高い。
鳥のさえずりが抜けていく。
なんて素敵な町だったんだろう!
前から好きだったけど、10分の1の魅力も分かってなかった。
散策を終えて、車に戻ろうとすると、
小さなアンティークショップがあり、店は開いていた。
アンソニーという名前の、30代後半くらいのとてもスマートな身なりをした黒人男性がいた。
思いがけずフロアライトと、他にもランプを買い付けることができた。
ビクトリアのサロンの興奮が冷めやらなかったので、
素晴らしい建物があった!と言うと、
「町の財産だよ。それにこの町は本当に本当に美しいよ」と、アンソニーは誇らしげだった。
アメリカは豊かだ。
豊かなところにはモノが集まる。
でも集まるモノは、町によっても特色があったりする。
だからその背景についてもほんとうは知らなくてはいけないのだ。
今日はまたひとつ、貴重なことを学ぶことができたように思う。
ある日の午後、山あいの田舎町までやってきた。
この踏切を越えた先に、小さくてかんじの良いオールドタウンがある。
ディーラーは少ししかいないが、早い段階で車がいっぱいになったりすると決まって訪れる町だ。
ようは、半分は癒されに来ているといったところ。
この日もそうだった。
しかしうっかりしたことに、この日は月曜日。
ここのディーラーたちの定休日だったのだ。
半分癒され・・と書いたものの、もちろんあとの半分は仕事なわけだから
さすがに「しまった~」と残念無念になる私。
次へ移動・・と思ったが、
「せっかくだからちょっとブラブラしてみようかな」という気持ちがわいてきた。
次のブロックまで行ってみようと足早に進んでいると、
大きなガソリンスタンドに邪魔されてうまく見えなかったのだが、
オールドタウンをいちばん端まで来たところに、立派なヒマラヤ杉のかげが。
そしてそこから急勾配の切り妻屋根、しかも大きくて古い、が見えた。
素敵なビンテージ家具が見つかったときと同じくらい胸が高鳴った。
そして現れたのが・・・・
瀟洒なビクトリアンハウス!
複雑で急勾配の切り妻屋根、アシメトリーな佇まい、そして小さな塔がある。
しかも大きい・・・。
これはビクトリアンハウスのなかでも、
1800年代後期にイギリスで生まれて、アメリカの富豪たちが当時こぞって建てた、
イーストレイクスタイルと呼ばれる建築だ。
可愛らしいビクトリアンハウスはLAでもよく見かけるが、
こんなお屋敷がどうしてここに・・・・。
ビクトリアンというと、レースとか真っ白な家具とか、
ロマンチックな文化ばかり日本で紹介されていて、ちょっと残念に思うのだが、
実直さがあるところに甘さが加わった・・・、これが本当のビクトリアスタイルだと思う。
石碑がたっていて、それによるとこのお屋敷、
1800年代後期にホテルとして建てられたのだが
建ってから数年後にカリフォルニアの土地開発のバブル(バブルとは書いてなかったけど)が去り、
経営難に追い込まれて、じきに閉館になってしまったのだそう。
その後、他州(ワシントンとか東部だったと思う)の大金持ちの手に渡り、
近年になって大金持ちの子孫の寄付により、今はこの町のサロンとして残ることになったのだそう。
サロンは閉まっていた。(月曜が定休日なのかな・笑)
小学校のとき、国語のノートの表紙にチューダー様式のお屋敷が載っていた。
中はどうなっているんだろう!
授業そっちのけで、「入るとこう」「階段はこんなふう」「じゃあ台所のかんじは?」・・・
お屋敷の中の様子に想像を巡らすのが、楽しみだった。
この、昔ホテルだったお屋敷も、同じように想像を巡らせてみた。
空が高い。
鳥のさえずりが抜けていく。
なんて素敵な町だったんだろう!
前から好きだったけど、10分の1の魅力も分かってなかった。
散策を終えて、車に戻ろうとすると、
小さなアンティークショップがあり、店は開いていた。
アンソニーという名前の、30代後半くらいのとてもスマートな身なりをした黒人男性がいた。
思いがけずフロアライトと、他にもランプを買い付けることができた。
ビクトリアのサロンの興奮が冷めやらなかったので、
素晴らしい建物があった!と言うと、
「町の財産だよ。それにこの町は本当に本当に美しいよ」と、アンソニーは誇らしげだった。
アメリカは豊かだ。
豊かなところにはモノが集まる。
でも集まるモノは、町によっても特色があったりする。
だからその背景についてもほんとうは知らなくてはいけないのだ。
今日はまたひとつ、貴重なことを学ぶことができたように思う。