昨日4月13日はA.W.主催第36回オークション初日

アジア・アフリカ・オセアニア と古代のコインがフロア入札の対象ですが

今年になり初日の落札数が激減しています。

第34回:落札4枚→第35回:落札0枚→第36回落札0枚でした。

アジア・アフリカ独特の興味深いコインの出品が激減、これが落札数激減の原因の一つです。

もう一つの原因は・・・まず、最近の海外落札→国内出品・落札について考察してみます。

 

Ch AU “Strike5/5 Surface4/5” Byzantine Empire Solidus Justin II (565-578)

海外で2023年8月9日に720ドル(手数料込)で落札されてから

https://coins.ha.com/itm/ancients/byzantine/ancients-justin-ii

国内で2024年1月28日に11万円で落札されたばかりの金貨です。

この720ドル、円安を考慮せず1ドル111円で計算すると

円建手数料抜7万2000円相当→国内落札価格は1.53倍、+53%

円安を考慮して当時のレート1ドル144円で計算すると

円建手数料抜9万3405円相当→国内落札価格は1.18倍、+18%

最近の円安の影響により海外→国内で価格上昇%がほぼ1/3に低下してしまいます。

円安が収支に与える影響を計算してみると、諸経費として輸入税6%だけ考慮しても

11万円 x (1-0.05x1.1) - 720 x 1.06 x 144円−5951円

一方、1ドル111円であったのなら

11万円 x (1-0.05x1.1) - 720 x 1.06 x 111円 =+1万9235円

やはり、円安は収支に極めて大きな影響を与えることが分かります。

ところが、海外で落札してから1月ではなく4月に出品していた場合の収支を計算してみると

4月の落札価格は14万円でしたので

14万円 x (1-0.05x1.1) - 720 x 1.06 x 144円+2万2399円

たった3か月の違いで赤字から黒字に転換します。

 

MS61 Buwayhid Dynasty Dinar Samsam Al-Dawla (983-987)

海外で2023年10月16日に456ドルで落札されたもの。

https://coins.ha.com/itm/islamic-dynasties/buwayhid/

円安を考慮せず1ドル111円で計算すると、円建手数料抜4万5600円相当。

当時のレート1ドル150円で計算すると、円建手数料抜6万1622円相当。

今回の落札価格は18万7000円、円安を考慮しない場合とする場合を比べると

価格上昇%は+310% vs. +203%

収支は+12万3062円 vs. +10万4211円

1ドル150円というかなりの円安を考慮しても黒字となりました。

 
Justin II:ユスティヌス2世は東ローマ帝国の皇帝でした。

Buwayhid Dynasity:ブワイフ朝はイラン・イラクあたりの連合イスラム王朝でした。

いずれも世界史的にそれほど重要ではなく日本での知名度は高くないはずにもかかわらず

今月の国内オークションでは極めて高値がついたことになります。

そうです、4月になり古代コインが爆上がりしていると思います!

これが初日の落札数激減のもう一つの原因です。