先日のA.W.主催第35回オークションに出品された日本の銀製アンティークメダル

第一次世界大戦講和条約(ヴェルサイユ条約)締結記念メダル 日本 1919 SP63

海外ではそれなりに高く評価されているようで

2014年、非スラブ入で700ユーロ(手数料抜)

手数料15%・1ユーロ130円として円建手数料抜9万4279円相当

In Silber sehr selten:銀製は非常に稀少と説明されていました。

参照:https://www.numisbids.com/n.php?lot=5598&p=lot&sid=644

調べてみると、確かに、多くは銅製でした。

 

さて、謎はここから・・・2021年に出品された同じようなメダルが

NGCでメッキ銅製、PCGSで真正確認不可と鑑定されスラブに入れてもらえないものでした。

稀少な銀製と偽るため銅製に銀メッキを施したものとされたのでしょう。

しかし、オークションの説明によると直径54.7mm・重量94.7g、これは

銅製の直径54mm・重量80.88gより銀製の直径55mm・重量94gに一致します。

出品者は重量からNGCの銀メッキ銅製という鑑定に納得せず

PCGSにも鑑定を依頼したものの真正の銀製とは認められなかったと思われます。

なぜ、銀メッキ銅製とされてしまったのか?

また、真正の銀メッキ銅製としてスラブに入れられてもよかったのではないか?

このあたりが謎なのです。

 

提供された画像を見てみると、所々、薄っすら銅色に見える部位(矢印)があります。

こうした外観で銀メッキ銅製メダルと鑑定されたのかもしれません。

また、銅製メダルに銀メッキをしたものであれば重量は81g程度のはずですが

94g程度であったため銀製と同じ重量の銅製を偽造し銀メッキを施したものと疑われたのか

あるいは、出来映えが良くなかったため真正確認不可とされたのかもしれません。

↑SP68  ↑非スラブ入

メダルは打刻のコインと異なり鋳造なので出来映えにバラツキがあるはずですが・・・