スラブから取り出したコインを再鑑定に出すとGrade Populationの登録数に影響が生じます。
どういうことか?・・・実例を示します。
NGCでは異なるコインとして認識され、その結果、AU58の登録数は13枚。
しかし、スラブ内のコインは、よく見ると、同一品でした。
オークションの提供画像では異なる撮影条件のため分かりにくいのですが
Black spots(矢印)などが完全に一致しています。
https://www.auction-world.co/library/item_53322.html
https://www.auction-world.co/xpai/item.jsp?id=132973
したがって、AU58の正しい登録数は13枚ではなく12枚。
AU58が単独トップ・グレードであった場合
複数トップとなり稀少価値が低下していたことになります。
したがって、単独トップであるものの過小評価と思い再鑑定を依頼する際
スラブからコインを取り出すことは避けた方が良いでしょう。
スラブに入ったままNGC→NGC、あるいは、PCGS→PCGSの再鑑定であれば
Grade Populationの調整がなされるはず・・・と思います。
なお、スラブに入ったままの再鑑定はNGCとPCGSで手順に違いがあります。
NGCでは全てのコインがスラブから取り出され改めて鑑定を行うそうですが
PCGSではアップグレード時に限りコインがスラブから取り出されるそうです。
ところで、落札価格はどうなったか?
最初のAU58:2016年25万円→再鑑定後のAU58:2024年45万5000円
20万5000円もアップして1.82倍になりました。
敢えて再鑑定しなくても長期保有している間に高騰したわけです。