先日開催されたA.W.主催オークションではMedal:メダルとされていましたが
海外のオークションではJeton:ジェトンとされることもあります。
Jeton:ジェトンはフランス語、英語ならToken:トークン、日本語なら代用通貨
つまり、 特定の状況下で通貨の代用となるものです
Casino:賭博場で使用されるものについてはChip:チップとも言います。
参照:Gold Token
果たして、今回のものはメダルなのか?ジェトンなのか?
メダルは特定の行事で製造され記念品とされるものですが
銀製であれば銀貨の代わりに使用されるものもあったようです。
一方、ジェトンは特定の行事で通貨の代わりとして使用されるものですが
その特定の行事のために製造されるものとも言えます。
両者とも特定の行事で製造されるため同じものでも
メダルとされたりジェトンとされたりするようです。
例えば、今回のものはパリ商工会議所の開設を記念して製造されたものであり
おそらく、開設行事を含む一定期間はパリで通貨の代わりとして使えたのでしょう。
ちなみに、自分の見解は?
アンティーク銀製メダルの多くは円型で重量20g以上。
一方、ジェトンは円型以外に八角形のものがあり多くは重量20g未満。
参照:1802 France Rouen Chamber of Commerce Token
今回のものは八角形で重量18g程度なのでジェトンであると思っています。
奇妙なことに、同じものが過去のA.W.主催オークションではジェトンとされています。
参照:https://www.auction-world.co/library/item_205901.html
メダルであれジェトンであれ、同じ主催者のオークションでは統一すべきでしょう。
なお、ジェトンは海外でコインやメダルと比べて高く評価されていません。
コインほど長期に渡り広い領域で流通した歴史があるわけではなく
メダルほどデザインの彫りが深くなく立体感があるわけでもないので
左:メダル、右:ジェトン
歴史的ロマンを求めるならコイン、見映えを求めるならメダルとなるためでしょう。
例えば、今回のMS63ですが
国内で2023年10月落札価格(手数料抜)6万2000円
https://www.auction-world.co/xpai/lot_A34-4117.html
海外で2023年11月落札価格(手数料込)216ドル
https://auctions.stacksbowers.com/lots/view/3-15YOZS/
円安を考慮せず1ドル111円で計算すると2万1600円相当
円安を考慮して1ドル150円で計算しても2万9189円相当
海外落札価格は国内落札価格の半分未満にしかなりませんでした。