コインやメダルをNGCやPCGSに鑑定依頼する場合

一度日本国外へ輸出し、鑑定後、日本国内に再輸入することになります。

この際に予め再輸入の手続きをしておかないと

再輸入時に「再輸入品」と認めらず輸入税として消費税を徴収されてしまいます。

鑑定代行業者の説明を読んでも:https://www.auction-world.co/grading/info.jsp

”日本での「再輸入品」としての通関検査を受けた後に当社に戻って参ります”

 

ところが、この動画↓では

①鑑定後は性質・形状が異なるので本来は「再輸入品」に該当しない

②現在は特例で「再輸入品」として認められている

③しかし、そのために必要な手続きを正しく行っていない業者・個人が多い

④そのうち、この特例が廃止されるのではないか?

と指摘しています。

には更に詳しく”如何に再輸入の手続きが煩雑であるか”が書かれ

”毎回、税関に直接行き、説明する、結構、負担の大きい業務の割に手数料ゼロでも感謝はされず

なぜ、他社と比べてそんなに高いのか!と当社に不信感しかわかないため

当社としては、鑑定代行の、受付ができない状況ですので、ご理解下さい”

と書かれています。

 

なるほど、言いたいことは分かるのですが、疑問があります。

 

鑑定後に性質・形状が変わったと言えるのか?

鑑定後にコインやメダルはスラブに入れられますが、これはパッケージング。

コイン・メダルの形状が変わったわけではないでしょう。

 

鑑定後に価値がどれくらい上がったと評価できるのか?

これまで裸のコインやメダルが鑑定により落札価格が上がった例をレポートしましたが

例:訳ありコインをスラブ入にして出品したら・・・

例: メダルをスラブ入りにしたら、実例篇メダルをスラブ入りにしたら、実例篇パート2

どれくらい上がったのか、それはオークションに出品してみないと分かりません。

場合によっては落札価格が上がらないこともありえます。

確定していない利益に対して輸入税として税金を取ることは理にかなわないでしょう。

 

これらのことを考慮すると鑑定後再輸入時に輸入税を徴収するのは無理があるのでは?

但し、最終的には税関の判断によりますから

海外で鑑定→オークションで高値売却により莫大な利益というケースが目立つようになると

鑑定後再輸入時の特例が廃止されることがあるかもしれません。

個人的にはオークションでの売却益に対して所得税が徴収されるのだから

鑑定後再輸入時に輸入税が徴収されるのはおかしいと思いますが。