古代コインを巧みに再生産したSlavey Petrovを紹介しました。
彼は決して本物として売ったことがないため偽造者とは言われていないようです。
しかし、今回紹介する人物は異なります。
Carl Wilhelm Becker、1772年生まれのドイツ人。
彼も生前は”自分のコインを騙すつもりで売ったことはない”と主張していましたが
死後発見された記録によると本物と同様な価格で売られていたことが分かっています。
彼が偽造したコインは主に古代ギリシアの銅貨でしたが、銀貨や金貨の偽造もあるそうです。
更に、古代ローマや中世のコインまで偽造していたそうです。
彼の偽造は地金の段階から始まりました。
安値で入手した古代コインを熔解して地金を製造していたのです。
更に、偽造したコインを金属片とともに箱に入れて遠乗りに出かけ摩耗を施していました。
しかし、これらだけなら”並”の偽造者でもできるでしょう。
彼が特に優れていた技術はlettering、コインに書かれた文字の偽造でした。
古代コインの文字を偽造することは難しく、そのため、偽造コインと見抜かれるそうです。
ということで、Carl Wilhelm Beckerは本物そっくりの古代コインを偽造していました。
その技術は極めて高く、今や、彼の偽造コインに高値が付くことがあるそうです。
例えば、次の偽造コインは2013年に1840ドルで落札されたそうです。
参照
https://www.coinworld.com/news/us-coins/carl-wilhelm-becker-among-most-prolific--famous-forgers.html