昨日10月19日はA.W.主催第26回オークションの最終日でした。
フロア入札がない最終日で久ぶりに入札しました・・・たった1枚ですが。
ほぼ無名のスラブ入りではない中型銀貨で自分が趣味で集めているコインでしたので
初めてのコイン出品、教訓は?に従い入札額はかなり抑えました。
その結果、落札はできませんでした。
結局、第26回オークション全体で1枚しか落札できませんでした・・・初めての経験です!
実物資産高騰注意報を警報に切り替えた方が良い?
ただ、他のコレクターのブログを読んでみると割安落札もあったようですから
まだ警報を出すほどではないでしょう、金地金価格も下落してきたようですし。
参照:https://www.kitco.com/charts/livegold.html
さて、今回のオークションで気になったこと・・・それはメダルに関する情報提供です。
記載ミス:GERMANY Frankfurt AR Medal 1807 NGC-MS64
https://www.auction-world.co/xpai/item.jsp?id=77986
カール5世と説明されていましたが、正しくは、カール・テオドール・フォン・ダールベルク。
参照:https://www.kuenker.de/en/archiv/stueck/165717
前者は神聖ローマ帝国皇帝(在位1516〜1556年)ですが
後者はレーゲンスブルク大司教(在位1803〜1817年)であり
フランクフルト大公(在位1810年〜1813年)です。
この誤りをA.W.に伝えたところ、今回は即日、訂正されて連絡もありました。
なお、このメダルの海外相場は7万7000円〜10万5000円(中央9万1000円)程度。
但し、スラブ入りのものではありませんが。
そして、今回の落札価格は驚きの54万円!
コインの高騰に驚いていますが、アンティークメダルも本格的に高騰してきたようです。
説明不足?:GERMANY Hannover AR Medal 1861 PCGS-SP65
https://www.auction-world.co/xpai/lot_26-4235.html
このメダルはオリジナルでない可能性があると思います・・・なぜか?
https://www.numisbids.com/n.php?p=lot&sid=624&lot=361で提示されている
オリジナルと思われるメダルでは馬の足元に1000という数字がありません。
一方、https://www.ma-shops.de/hanseaten/item.php?id=160706005で提示されている
メダルには馬の足元に1000という数字がありますが、説明の独語を英語にすると
It is a later production, possibly for advertising silver medal 1861
つまり、オリジナルである1861年銀製メダルの宣伝用に後から鋳造されたものとしています。
但し、スラブにすら再鋳造との記載はありませんので、断定まではできません。
今回のメダルに限らず、コインと同様、メダルにも再鋳造はあります。
そして、コインと同じく、再鋳造はオリジナルに比べると見映えが劣ることがあります。
(左)今回のメダルと
(右)https://www.numisbids.com/n.php?p=lot&sid=624&lot=361から引用したメダル
を見比べてみましょう・・・どう思われますか?
さて、落札価格はどうなるかと思っていたら、なんと!出品取消になりました!!
銀製という根拠が不明:GREAT BRITAIN Victoria(1837~1901) AR Medal 1897
https://www.auction-world.co/xpai/lot_26-4424.html
このメダルにはWhite Metal製もあれば、銀メッキ製もあります。
*White Metal:白色調の金属、白色合金とも、銀は含まれても微量
デザインは一緒で、大きさや重量もほぼ同じです。
(左)銀製?:今回のA.W.から引用
(右)WM製:JCCから引用
https://jcc-coin.com/antiquecoin/products/detail.php?product_id=6003
(左下)銀メッキ製:過去のA.Wから引用
https://www.auction-world.co/library/item_137150.html
今回のものを銀製と鑑別した根拠を提示して欲しいものです。
フランスの銀製メダルなら鑑別は簡単、なぜなら、1832年3月30日以降
エッジにフランス語で銀を意味するARGENTが刻印されるようになったからです。
また、銅製メダルでは1841年以降にBRONZEが刻印されるようになりました。
自分が知る限り、英国のメダルには材質の刻印がありません。
比重を測定して鑑別したのかもしれませんが、もしそうなら、その比重を提示すべきでしょう。
今後ますます日本でもアンティークメダルが注目されるでしょう。
メダルの見映えはコインよりも素晴らしいことが多いからです。
コインと比較して発行数は少なく稀少性がありますから高騰しやすいかもしれません。
参照:メダル
個々のメダルについて高値に相応しい価値があることを示すため
今こそオークション主催者は適切な情報提供を心掛けるべきです。