今年、躍進が目立つモダン金貨。

そのルーツはスイス現代射撃祭記念金貨にあるのでは、と自分は思うのです。

その理由の続き、いよいよ価格動向に迫ります。

 

③価格変動が大きい

発行数が限定的であれば取引記録も限定的になり、価格動向の解析は困難になります。

それでも落札価格の記録を見てみると、その変動の大きさに驚きます。

オークション・ワールドで価格動向を追うことができた発行年

つまり、同グレードの落札価格(手数料抜)を2件以上見つけた発行年は以下の通りです。

PF-UC (NGC)はPR-DC (PCGS)も含み、高騰は赤下落は青にしました。

変動幅が10万円以上の場合は太字

2021年以降の落札記録アンダーラインを加えました。

 

1000フラン金貨

1984 PF69UC:66万円、2017→42万円、201831.1万円、2019

1985 PF70UC:30万円、2017→24万円、2020

         PF69UC:27.5万円、2016→20.2万円、201824万円、2021/7

         PF68UC:20万円、2017→23万円、2020

1986 PF69UC:20万円、2017→29万円、201819万円、2020

                     →26万円、2021/7

1987 PF69UC:22.1万円、2016→24万円、2021/7

         PF68UC:20万円、2016→20万円、2017

1988 PF69UC:23万円、2016→28万円、201724万円、2020

                     →31.1万円、2021/7

1989 PF69UC:43万円、2016/1→33万円、2016/7

1990 PF69UC:23.4万円、2018→17万円、2020/424万円、2020/10

                     →28万円、2021/7

1991 PF70UC:29万円、2016→19万円、2017

         PF68UC:21万円、2016→18万円、2017

1992 PF69UC:25万円、2016→31万円、2021/7

500フラン金貨

1995 PF68UC:18万円、2016→16万円、2021/7

1998 PF69UC:43万円、2016→19万円、2017

1999 PF69UC:64万円、2016/1→49万円、2016/7

Essai PF69UC:50万円、2018→56万円、2017/7

2000 PF69UC:21万円、2016→20.1万円、2021/7

         PF68UC:22万円、2017→17.2万円、201813万円、2019

2002 PF68UC:41万円、2019→82万円、2021/4

2005 PF69UC:23万円、2016→26万円、2021/7

2008 PF69UC:19.2万円、2017→20万円、201828万円、2021/7

2009 PF70UC:20.6万円、2020→28万円、2021/7

2010 PF70UC:26万円、2018→28万円、2021/7

2012 PF69UC, TIRO:42万円・40万円、2017→24万円、2019

2013 PF69UC:33万円、2016/7→27.2万円、2016/10

2014 PF68UC:15.4万円、2018→18万円、2021/7

2015 PF69UC:20万円、2016→17.4万円、201713万円、2019

                     →13.3万、202020万円、2021/7

2016 PF70UC:20万円、2019/7→17.6万円、2019/1019万円、2020

                     →28万円、2021/7

         PF68UC:28万円、2018→13.3万円、2019

2017 PF70UC:24万円、2017→24万円、2018→22.1万円、2021/7

         PF69UC:18万円、2018→12.2万円、2019

2018 PF69UC:24万円、2020→19.7万円、2021/7

 

金地金・金貨高騰が著しい2021年より前は下落することが多くなっています。

特に、10万円以上の暴落8回もあります!

これこそモダン金貨を入手する上で最も懸念していることです!!

記録をよく見ると、初登場で高値をつけて、それから暴落することが多いようです。

初お目見えの熱気で高値がつくものの、それが持続はしないということでしょうか?

 

一方、10万円以上の暴騰2021年に2回あるだけ

2002年発行金貨(Una and the Lionの復刻)と

2017年発行金貨(雲上の女神の復刻)です。

2021年には名品コインも高騰していますので、その影響かもしれません。

名品コインを復刻すれば、モダンコインでも高値がつく・・・そんな風潮でしょうか?

 

海外での落札価格(手数料込)をHeritage Auctionsで調べてみましたが

記録が非常に少なく、特に、スラブ入りの記録はわずかしかありませんでした。

その中で価格動向を追うことができた発行年は以下の通りです。

 

1000フラン金貨

1986 PF69UC:$1552、2012/1→$1437、2012/4$1320、2019

500フラン金貨

2004 PF70UC:$2350、2017/1→$3600、2017/9

2006 PF69UC:$2115、2017→$1980、2020

2010 PF70UC:$1800、2018→$1980、2019

 

たったこれだけで価格動向を語るわけにはいかないのですが

2004年発行金貨を除けば、価格変動は小さいようです。

ではなぜ、2004年ものは1000ドル以上も暴騰したのか?しかも、わずか8か月で!

2004年ものには15.5gバージョンと50gバージョンがありますが

記録を見る限りともに15・5gバージョンのようです。

今のところ、暴騰した理由は不明・・・不可解なことが起るのもモダン金貨の特徴かもしれません。