Order of Malta, 1789, 30 Tari, 29.53g (Ag 0.833), KM335, Numista Rarity Index 94

表:Emmanuel de Rohan 裏:紋章

 

Order of Malta:マルタ騎士団、知っていますか?

第1回十字軍の後、エルサレム巡礼者の保護を目的に設立されたカトリック系騎士団で

1100年頃、本拠地をエルサレムとする→聖ヨハネ騎士団

1309年頃、本拠地をロードス島とする→ロードス騎士団

1522年頃、本拠地をマルタ島とする→マルタ騎士団

となりました。

1798年、ナポレオン・ボナパルト軍の侵攻によりマルタ島を追われ領土を消失しましたが

国際法上の主権実体を保持して国際慈善活動に従事しているそうです。

 

Emmanuel de Rohanは銀貨発行時のマルタ騎士団総長です(在職1775〜1797年)。

 

一方、紋章はマルタの鷹に由来します。

マルタ島はシチリア王から借りたのですが、年間賃貸料がマルタの鷹だったのです。

また、9個の輪はEmmanuel de Rohanの出身、フランス貴族Rohan家の紋章に由来します。

 

最後に、この銀貨の鑑定結果、分かりますか?

 

AU Details Surface Hairlinesです・・・が、どこにHairlines:細い線があると?

この判定は厳しすぎる、と言うより、不可解です。

今のNGCではSurface Hairlinesとは鑑定されずCleanedとされるようですが

参照:アルゼンチン銀貨で考えるCleaned判定:追記あり

洗浄された銀貨のようにも見えません。