貴金属エキスパートの豊島氏が老師と仰ぐ(?)亀井幸一郎氏が新著を出しました。
通貨の凋落で金急騰がはじまる!(宝島社、1700円+税)
金・銀・プラチナの本は既に読んでいますので
改めて1700円もかけて入手し読むべきか迷った末、入手しました。
一読して、非常に素晴らしい実用書であることが分かりました!
年に数回程度しかない、名著との出会いでした!!
そもそも、素晴らしい実用書とは?
①専門家でないと得難い情報を含むこと、願わくば、最新であること
②解釈が専門的であること、願わくば、独自性があること
③読みやすいこと
この3つを満たしている書物のことでしょう。
①②は実用書なら当然のことですが
誰でも少し調べれば知っていることしか書いていない、しかも、情報が古い
解釈がありきたりで、しかも、独自性というより著者(の本業)の都合による
ことがしばしばあります。
③にいたっては
読みにくい・分かりにくい・面白くないの三重苦であったりします。
どこまでが事実に関する情報なのか・どこからが著者の解釈なのかが判然としないこともあります。
この著書について
①金地金に関する様々な最新情報が満載!
なかでも、これは!と思った情報は
2018年時点で産金コストの平均値は、1トロイオンス897ドル
です;1ドル110円で消費税も考慮した円建てにすると3489円/g程度です。
プラチナの産出コスト3500円/g程度とほぼ同じです。
つまり、産出コストのみから考えた金・プラチナ地金の最低価格が3500円/g程度になります。
他にも、各国金保有量の2020年6月のデータなど興味深いデータが提示されています。
ただ、残念なのは上記のデータは主に中央銀行のもので、個人・民間のものではありません。
できれば、金の公的保有量だけでなく私的保有量も知りたいのですが・・・
②解釈が専門的で、かつ、独自性もあり?
亀井幸一郎氏は金融・貴金属アナリストで
ブログ亀井幸一郎の「金がわかれば世界が見える」は自分も常時、閲覧しています。
本書では、まず事実・情報を提示してから、それらを専門的に解釈・説明しています。
その解釈が独自かどうか、実は、素人の自分には判別できませんが
亀井氏から見た米国の経済状況は自分が想像していたよりも深刻であるようです。
③非常に読みやすく・分かりやすく・面白い
2日間、読書時間としては数時間程度?、で読み切りました。
十分理解していないところもあるはずですが、そういうことを気に留めず一読できました。
より詳しく理解するために、いずれ再読するつもりです。
さて、本著では結局のところ
1)金地金価格はどこまで高騰し、どの程度で落ち着くのか?
2)今、金地金を購入すべきか?
について、どう答えているのでしょうか?
1)中期的には(1オンス)2300〜2500ドル(8947〜9725円/g)!
(1オンス)3000ドルや5000ドルなどという強気の見通しもあるそうです!!
残念ながら、長期的に落ち着く価格は提示されていません。
現在、人類は未知の領域にいるわけですから、これは仕方がないでしょう。
2)いまこそ日本人は円で金を買うべし・・・だそうです。
但し、いまこその”いま”とは”いつまで”でしょうか?
日本が世界最大の対外純資産保有国で経常収支が黒字である限り、日本円は暴落することはなく
比較的ゴールドに負けていなかった円の一部をゴールドに分散すること
を勧めているようです。
金地金を「いくらの時に」「どれだけ買うか」までは明示していません。
そこは、Case by Case、そして、自己責任で決めるべきでしょう。