Richter1601a, 39g (Silver), 45mm, availability less than 200
先頭にRichterカタログ番号、重量(地金の種類)、直径、発行数/現存数を記載します。
メダルでは地金の種類は分かるのですが、含有率まで分かることは稀です。
また、発行数(mintage)も分からないことが多いのですが
そのような場合、メダルの本に書かれている現存数(availability)を記載します。
このメダルの場合、正確な発行数は不明で現存数(availability)200枚未満でした。
見映えの素晴らしさが伝わるように画像のサイズをコインの場合と比べ倍にしました。
メダル・コレクションの初回で紹介するものは
Canton of Vaud:ヴォー州の都市Yverdon:イヴェルドンで開催された射撃祭の記念メダル。
自分が初めて入手したメダルであり、そして、最も気に入っているメダルです。
デザインの見映えが非常に素晴らしいだけでなく
スイスの国民性をこれほど表しているメダルはないと思います。
重量は39g、直径は45mmもあり、同時代19世紀の2 Thaler銀貨以上です。
素晴らしい見映え&ずっしりした重量・・・存在感はコインと比べて圧倒的です。
表のデザイン
時代は原始の頃、場所は居住地(いわゆる村でしょう)、人々は武器を取っています。
いったい、何のために?
メダル上部にラテン語で書かれています・・・LIBERTAS:自由 PATRIA:祖国
そうです、自由と祖国を守るため武器を取っているのです。
スイス射撃祭で触れましたが
そもそも、射撃祭の目的は祖国防衛に必要な射撃技術を向上させるためです。
スイス国民は平和を訴えるだけで自由と祖国が守られるとは夢にも思っていないのでしょう。
自由と祖国は武器を取り自分達で守る、そんなことは太古の昔から当然のことだ。
表のデザインは、そう訴えています。
なお、若者は男性か女性か、分かりにくいですが
メダルの本(第三版、428ページ)ではmaiden:乙女と説明されています。
武器を取るのに男も女も関係ないということでしょう。
裏のデザイン
イヴェルドンの紋章を支える2丁の銃です。
時代が原始から射撃祭当時となり、武器が弓から銃に変わったわけです。
表の人物と同様、紋章や銃などの彫りが深く立体感があります。
コインでもデザインが立体的に浮き上がって見えることがありますが
メダルでは本当にデザインが立体的で浮き上がっているのです。
この迫力は画像ではなかなか伝わりにくいでしょう。
できれば、こうしたアンティークメダルを実際に見ることをお勧めします。
きっと、一目でメダルの魅力を理解できるでしょう。