オマーンはアラビア半島の南端、イエメンの東にある国です。

参照:https://www.y-history.net/map/1703/wangan-oman.png

この国の成り立ちもまた複雑です。

ですので、自分が持っている銀貨と関係がある事のみの紹介にしておきます。

 

19世紀末からオマーンは

マスカットを拠点とするブーサイード朝の国・・・マスカット・オマーン国

ニズワーなどの内陸部を支配するイマーム(イスラム教指導者)の国・・・オマーン・イマーム国

が並立していました。

1970年、カーブース・ビン・サイードが国王に即位して国内を統一

国名を単にオマーン国と定めます。

 

今回の銀貨はマスカット・オマーン国の銀貨です。

 

Muscat Oman, AH1378 (AD1959), 1 Saidi Rial, 28g (Ag 0.833), KM31, NRI 76

表:額面 1 Saidi Rialと年号 AH1378 (AD1959) 裏:中央に紋章、周囲にヤシの木・帆船

 

イスラム教国ですので肖像は描かれていませんが、裏面のデザインはユニークで気に入っています。

中央の紋章はオマーンの短剣 khanjar:カンジャルと2本の太刀の組み合わせで権威を象徴します。

周囲にはヤシの木と帆船が描かれています。

オマーン南部地方ではインド洋モンスーンの影響を受け夏に降雨が多くココナツヤシが茂ります。

また、オマーンはアラビア半島南端沿岸に位置するため古くから海上交易が盛んでした。

正に、このコインも国情を物語っています。