ローマ帝国セウェルス朝はSeptimius Severus(在位193~211年)が創始した王朝。

参照:ローマ皇帝夫妻の銀貨

ローマ帝国最盛期である五賢帝時代(96~180年)後の混乱を治めた王朝でしたが

ローマ帝国衰退を止めることはできずDenarius銀貨の銀含有率低下が始まりました。

 

銀貨で選ぶローマ皇帝・イケメン・第2位で紹介した

Caracalla(在位209~217年、父Septimius Severusと重複あり)も一員です。
そのCaracallaが親衛隊長マクリヌスとその子ディアドゥメニアヌスにより暗殺されると

彼らが皇帝に即位しましたが、在位期間はわずか1年と少しでした。

Septimius Severusの妻でありCaracallaの母であるJulia Domnaの姉であるJulia Maesa

そして、その孫であるElagabalus(別名Heliogabalus)↓が彼らを滅ぼしました。

 

Roman Empire, 218-222, Denarius, 3g (Silver), RIC 107

表:Elagabalus(在位218~222年) 裏:自由の帽子と杖を持つ自由の女神

参照:ペルー銀貨の女神さま

 

Elagabalusは皇帝に即位したものの退廃した暴君であり

皇帝を守るはずの近衛隊からも支持を失い、またしても、近衛隊長により暗殺されました。

その後、Julia Maesaはもう一人の孫であるSeverus Alexander↓を新たな皇帝としました。

 

Roman Empire, 222-235, Denarius, 3g (Silver), RIC 262, Ch AU

表:Severus Alexander(在位222~235年) 裏:オリーブと杖を持つ軍神Mars

 

Severus Alexanderは暴君ではなく、むしろ、軍事行動を控えて平和路線をとりましたが

今度は、その政策に反発する軍の反乱を招いて暗殺されてしまいました。

これ以後が軍人皇帝時代、皇帝は軍人出身で軍の支持を拠り所とするようになりました。

軍人皇帝の多くが暗殺され頻繁に入れ替わったため皇帝の権威は失墜していき

ローマ帝国が更に衰退する3世紀の危機を迎えるのでした。