古代の頃にはアケメネスと呼ばれたの~

それからパルティアと名乗ったの~

参照:https://www.youtube.com/watch?v=fUeAW0Y4aS8

 

今はイランです、昔の名前で出ていません。

アケメネス朝ペルシャがイラン最初の大国とされています。

アケメネス朝はアレクサンダー大王により滅ぼされ、その死後、セレウコス朝の支配下でしたが

パルティアとして独立します。

 

イランという国が好きというわけではないのですが、イランの古代・アンティーク・モダンコインは好きです。

今回はイランの銀貨を紹介します。

 

Parthian Empire, 10-38, Drachm, 3.6g (Silver), Sellweed-63, Numista Rarity Index 91

表 Artabanus II:アルタバノス2世(在位10〜38年)  裏 射手

 

Parthian Empire:パルティア帝国は

紀元前247年、セレウコス朝シリア(紀元前312〜紀元前63年)から独立します。

ミトラダテス1世(在位紀元前171〜紀元前138年)時代に最盛期を迎えますが

紀元前1世紀半ば頃からローマと長きに渡る戦争を行い弱体化、紀元224年に滅亡します。

なお、アルタバノス2世はローマと友好関係を築き、一時的な安定をもたらしたそうです。

 

Sasanian Empire, 590-628, Drachm, 4g (Ag 0.9), Val Sn 50, NRI 60

表 Khosrow II:ホスロー2世(在位590〜628年)

裏 ゾロアスター教(拝火教)の炎の祭壇と2名の付き添い、4つの星/三日月

 

226年にパルティア帝国の後を継ぐ形でササン帝国(ササン朝ペルシャ)が成立します。

ホスロー1世(在位531〜579年)時代に最盛期を迎えますが

彼の孫であるホスロー2世の頃には衰退が始まり

東ローマ帝国との戦いの中で更に弱体化した結果、651年、イスラム軍により滅ぼされます。

 

その後、イランはイスラム帝国・イスラム王朝に支配されますが、その頃の銀貨は持っていません。

 

Ilkhanate, 1345, 2 Dirhams, 1.2g (Silver), A2257, NRI 89

 

Ilkhanateでは分かりにくいと思いますので全て大文字にすると

ILKHANATE:イルハン国、1256〜1258年頃に成立したモンゴル帝国イラン地方政権です。

この銀貨が鋳造されたのはSuleiman (Sulayman) Khan(在位1338〜1343年)の死後で

既にイルハン国の末期にあたります(滅亡1353年)。
小型銀貨は日常生活で頻繁に使われるため摩耗はかなり進んでいます。

 

イルハン国滅亡後に成立した国がティムール帝国ですが

その銀貨は世界で最も複雑な歴史を持つ国のコインで紹介済みです。

 

Qajar Dynasty, 1902, 5000 Dinar, 23g (Ag 0.9), KM976, NRI 46

 

Qajar Dynasty:ガージャール朝はテュルク系(トルコ系)イスラム王朝で
1796年にイラン前王朝Zand Dynasty:ザンド朝を滅ぼします。

この銀貨が鋳造されたのはMozaffar od-Din Qajar(在位1896〜1907年)時代で

ガージャール朝後半にあたります(滅亡1925年)。

 

Pahlavi Dynasty, 1925, 5000 Dinar, 23g (Ag 0.9), KM1097, NRI 90

 

Pahlavi Dynasty:パフラヴィー朝(自分が子供の頃はパーレビ朝)、イラン最後の王朝です。

1925年、ペルシャ人将校Reza Shah Pahlavi によるクーデターで成立しますが

1979年、イスラム革命により崩壊します。

*クーデター:支配者層内部で武力により最高権力者が交代する事

*革命:被支配者層が武力により支配者層と交代する事

 

こうして書いてみるとイランも複雑な歴史を持つ国ですね。