アフガニスタンの歴史は極めて複雑なため、1回ではコインを紹介しきれませんでした。

 

アフガニスタンは中央アジアの内陸国、周囲から様々な勢力が侵入してきます。

周囲を海に囲まれた日本とは全く異なる環境です。

19世紀になると中央アジアはロシア・英国が勢力を争う場となります。

そうした中、英国の侵入を3度も撃退し独立を維持したのがBarakzai:バーラクザイ朝です。

 

1826年、Dost Mohammadがバーラクザイ朝ハン国を建国します。

1835年、君主の称号をAmirに変更しアフガニスタン首長国となります。

1919年、Amanullahが君主に即位し第三次アフガン戦争で英国を撃退し独立を維持します。

1926年、Amanullahは君主の称号をShahに変更してアフガニスタン王国となります。

この王国は1973年にアフガニスタン共和国となるまで存続します。

 

それではバーラクザイ朝のコインを紹介します。

 

1880, 1 Rupee, 9g (Silver), KM538, Numista Rarity Index 89

例によって、全く読めない文字ばかり、異国情緒全開です。

 

1908, 5 Rupees, 45.6g (Ag 0.9), KM843, NRI 87

摩耗が極めて進んでいますが、それでも何とか文字以外に図柄があると分かります。

両面で周囲を取り囲んでいるのは花輪(wreath:リース)です。

裏のデザインは国章:旗を掲げたモスクです。

 

小型銀貨は使用頻度が高いため摩耗が進んでいる事が多いのですが

45g以上もある大型銀貨でこれほど摩耗が進んでいるのは当時の国情のためでしょうか?

銀貨の美しさではなく重さが重視され使い続けられた結果でしょう。

 

時代は少し下るのですが摩耗があまり進んでいない大型銀貨もあります↓。

 

1927, 2.5 Afghanis, 25g (Ag 0.9), KM913, NRI 81, AU58

表 Tughra:トゥグラと呼ばれるイスラム教国君主の署名

*Shah Amanullahの署名のはずですが自分には解読不能です。

裏 国章:旗を掲げたモスク

 

銀貨ばかり紹介しましたが金貨もあります↓。

 

1919, 1 Tilla, 4.6g (Au 0.9), KM868, NRI 92, AU Details Cleaned

表 Amir Amanullahの署名、即位したばかりでShahに改称前、トゥグラでもありません

裏 国章:旗を掲げたモスク

 

 

モロッコのコインと同様、いつの間にか、アフガニスタンのコインも集まっていました。

異国情緒が溢れすぎているコインが余程好きな事を改めて自覚してしまいます。