前回は世界最小金貨、Fanam金貨を紹介しました。

Fanam金貨は主にインド南部で鋳造されたアンティーク金貨です。

 

今回はインド北部で鋳造された古代金貨を紹介します。

*アンティーク・古代の違いはコインの種類を参照

 

Kushan Dynasty, 260-300: Vasudeva II,1 Dinar, 7.86g, No entry in Numista

表:右手に三叉鉾・左手に供物台(燭台?)を持つ国王 裏:アルドクショーの坐像

 

アルドクショーは豊穣の女神です。

参考写真:https://en.wikipedia.org/wiki/File:PharroAndArdoxsho.jpg

参考写真の向かって右側がアルドクショー、左手にCornucopia:豊穣の角を持っています。

仏教の影響らしく金貨では頭が仏陀のように螺髪になっているようです。

解説を加えてみました↓、左肩にはCornucopia:豊穣の角が重なっています。

 

もう一枚の金貨の方がアルドクショー坐像・Cornucopiaともに分かりやすいでしょう。

 

Kushan Dynasty, 305-335: Shaka,1 Dinar, 7.79g, MAC3572, Numista Rarity Index 94

 

さて、Kushan Dynasty:クシャーナ朝です。

風の谷のナウシカに登場するトルメキア皇女クシャナの由来元でしょうか?

*クシャナを知らない方は↓

https://bibi-star.jp/posts/6669

 

1世紀から3世紀に中央アジアから北インドで栄えたイラン系王朝です。

しかし、3世紀後半からはササン朝ペルシャの支配下に入りました。

1枚目の金貨が鋳造された頃です。

更に、4世紀前半にはグプタ朝の地方領主になったようです。

2枚目の金貨が鋳造された頃でしょう。