2024年夏バイロイト・ザルツブルク旅1 概要編 |   kinuzabuの日々・・・

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この夏はバイロイト音楽祭とザルツブルク音楽祭をはしごした。大変贅沢な夏。このブログは旅行のうち音楽以外について書いた。公演の感想は別に書く。

バイロイト音楽祭では以下のワーグナーの楽劇を聴いた。
8月24日『パルシファル』
8月25日『神々の黄昏』
8月26日『トリスタンとイゾルデ』
8月27日『タンホイザー』

ザルツブルク音楽祭では以下のオペラ、演奏会を聴いた。
8月28日プロコフィエフ作曲『賭博者』
8月29日ウィーンフィル演奏会
8月30日オッフェンバック作曲『ホフマン物語』

バイロイトで4演目だけでは寂しいなと思っていたところ、ザルツブルクの『賭博者』でグリゴリアンが歌うと聞いて、ザルツブルクまで遠征した。バイロイトとザルツブルクって結構近いのね。


航空会社はシンガポール航空を使った。昨年はタイ航空だったから、だんだん南に下がって遠回りになっている。サービスには満足したが、食事が多すぎた感じ。美味かったけど。

 

関西空港。



 

 

ミュンヘンからニュルンベルクへ行くICE。

 

ニュルンベルクからバイロイトに行くローカル列車。

 

ついにバイロイト到着!

 

行くにあたっていくつか心配事があり、一つはシンガポールでの乗り換えが、行きも帰りも1時間半しかないこと。特に帰りはMUC→SINが遅れることが多々あり、乗り換えできなかったどうしようかという不安。

もう一つは、ミュンヘン中央駅で、ニュルンベルクからのICEとザルツブルクに行くRJXの乗り換えが28分だったので、ICEが25分遅れたら乗り換えができない不安。行く1週間前にベルリンあたりで工事があり、ことごとく20分ぐらい遅れていたので巻き込まれたらどうしようかとさらに不安になった。

どちらも運だなと、あきらめて音楽祭を楽しんだ。でも結果的に利用したすべての交通機関が時間通りに動いてくれたので、すべて杞憂に終わった。運が良かったとしみじみ思った。

飛行機のほうはどうしようもないとして、ミュンヘン中央駅での乗り換えは、DBの切符購入サイトでStopoversを指定して指定駅の乗り換え時間を長くとれば解決していたのを後で知った。全部の乗り換え時間を長くする設定もある。切符購入サイトの設定はしっかり見よう。


さて、バイロイト。長らく縁がないところと思っていたが、3年連続で来てしまった。でも、バイロイトについては何も知らないに等しい。



バイロイトでの生活はワーグナーに浸るというよりもワーグナーに専念せざるを得ないという感じになる。

7時に起きて朝ご飯を食べて、ちょっと買い物に出かけてホテルへ戻り、入浴や洗濯をすればすぐに14時になる。ワーグナーの楽劇は『ラインの黄金』と『さまよえるオランダ人』を除くと16時に始まるので、祝祭劇場に行く準備を始めないといけない。

ワーグナーを聴く以外はほとんど何もできない。公演終了後に飲みに行ったりする人も多いだろうが、私はすぐに部屋に戻って寝る派なので、こんなことになる。

それでもヴァーンフリートには行く。


そうして素晴らしいワーグナーの楽劇に専念した生活を数日続け、なんだかんだ言って夢のような日々を過ごして、帰ってくる。よく言われることだが、ワーグナーの聖地とはワーグナー以外のことを考えられない環境と言うわけである。ワーグナーの思惑通りに進んでいて、なんか悔しい。


ところで、今回初めてロージェとバルコンに座ったが、椅子が平土間と違って、座面と背面にしっかりしたクッションが付いてることを知った。5時間座ってもお尻も背中も痛くならない優れもの。平土間の板のような椅子がダメな人はこちらを選ぶことをお勧めする。

隣の座席。


バルコンからの眺め。2列目なので前の人の頭が来る。


とはいえ、ロージェ3列目端、バルコン2列目端と平土間25列目、5列目端とでは音響がまるで違う。平土間に行くとクリアでより迫力ある音が楽しめることを知った。5列目なんて端でも迫力がすごい。お金に余裕のある人はぜひ平土間で聴いてほしい。ただし、ロージェ、バルコンとも1列目は知らない。

 

今回、休憩時間にサイン会をしていた。K.F.フォークトとギュンター・グロイスベック。どちらも大行列ができていた。私はサインをもらわなかったが、フォークトの写真は撮った。

 



あと、今回ちょっとした失敗をした。『トリスタンとイゾルデ』の日に9ユーロのパンフレット(配役表付き)を買うつもりが先に誤って1ユーロの配役表を買ってしまい、結局それとは別に9ユーロのパンフレット(配役表なし)を買うことになった。やったなーと落ち込んでいたら、翌日『タンホイザー』の日に1ユーロの配役表を買おうとすると、窓口のお姉ちゃんが昨日のことを覚えていてくれて、配役表を無償でいただいた。失敗したけど、結果オーライ。なんかほっこりした。

書き忘れていたが、泊まったホテルはアルフェナ・コングレス・ホテル。バスタブと空の冷蔵庫があり、電気ポットもお願いすれば持ってきてくれる。掃除も早い時間で済ませてくれる。有料だが祝祭劇場への送迎バスもある。なかなか機能的でいいホテルだと思う。日本人も多く泊まっていた。



さて、次はバイロイトからザルツブルクに移動である。心配していたミュンヘン中央駅での乗り換えもうまくいった。

 

さようならバイロイト。

 

RJXでザルツブルクに到着。

 

ザルツブルク駅。

 

ザルツブルクの風景


バイロイトのストイックな環境からザルツブルクへ行くと状況が一変する。公演が始まる時間が18時半とか20時なので、生活に余裕が生まれる。公演の前に昼寝もできる。バイロイトではほとんど見ない観光客がザルツブルクでは大量にいて、音楽祭と関係ない人が圧倒的に多い。旧市街など観光地に行くと人当たりして疲れてしまう。

結局ザルツブルクのこともあまり知らずに帰ってきた。ホテルとスーパーと音楽祭の行き来になるから。それでも旧市街には午前中に回った。ホーエンザルツブルク城にも上った。歩いて。急坂の途中に関門があってそこで切符を買わされるので、歩いて行ってもケーブルカーで行ってもあまり変わらないのが悲しい。

城の入り口。切符売り場はもっと下にある。

 

ホーエンザルツブルク城からの眺め。



ザルツブルクではホテルザッハーのカフェでアイスカフェを頼んだ。コーヒー味のアイスをガラスのコップに詰めてその上に生クリームを載せたもの。大変おいしい。ホテルザッハーのコーヒーはコクがあるので、それがアイスに封じ込められた感じか。ストローが付いているが、最後に残った溶けたアイスを飲むもので、ほとんど使わない。



さて、気になる観客の服装だが、バイロイト音楽祭とザルツブルク音楽祭では全く傾向が違う。どちらもおしゃれしていく音楽祭といわれているが、バイロイトでは男性がタキシードで着飾り、女性はそれに合わせてドレスを着る感じだが、結構自由な人もいてさまざまま。一方、ザルツブルクは女性が皆おしゃれしていて、男性がジャケットで颯爽と女性をサポートする感じ。そして、ザルツブルクのほうが洗練されている。普段着(スーパーに行く格好?)の人もいない。少しラフな社交場という印象を持った。




あっという間にザルツブルク音楽祭も終わり、ミュンヘン空港へ。ミュンヘン東駅乗り換えで2時間半。帰りはバイエルンチケットで1日乗り放題だったから、なんか安心して列車に乗った。



ミュンヘン空港ではairbrauでビールと白ソーセージの朝飯を食べてから、チェックインカウンターへ並ぶ。ミュンヘン空港にはシンガポール航空の自動チェックイン機がないのが困りもの。

搭乗券を受け取って保安検査だが、長蛇の列で、抜けるのに40分かかった。どこの空港も行列が長いようだ。一方、出国審査は自動機ですんなり通った。

MUC→SIN便の出発は定刻だった。ここで遅れるとSINで乗り換えが大変になるが、座席のモニターに定刻前に到着すると出て安心した。乗り換えもうまくいった。

 

 

それにしても、チャンギ空港の絨毯は何とかならないのか。静摩擦係数が大きいのかスーツケースを転がすのに力がいる。ただでさえ時間に追われているのに、イライラした。

SIN→KIX便も定刻出発。隣のゲートが30分前に出る東京羽田行きという紛らわしい設定。どちらも日本語の案内があるから、急がないといけないのかと不安になる。

 

SINで乗り換え。写真は羽田便。





MUC→SINで12時間も乗った次のSIN→KIXの6時間なんてとても短く感じた。関空にちょっと早く着いて、入国審査、税関とあっという間に通過。コロナ明けのころを思うと隔絶の感がある。関空特急はるかの指定席もネットで取って、ゆっくり座って帰宅。自由席のお客さんが多いようで、デッキに立っている人がいるらしい。


以上、予定していた行程を予定通りに終了し、何事もなく無事に帰ってきた。毎日晴天が続き、午前中の半日小雨が降った程度で傘を使うこともなかった。暑かったけれど、最高気温は初日の32℃を除けば20℃から28℃ぐらいで、ザルツブルクではホールに冷房も入っていたから、このぐらいなら何とか。


そして、来年はどうしようか考える日々がやってきた。