京都市交響楽団第661回定期演奏会の感想 京都コンサートホール 沖澤のどか指揮 |   kinuzabuの日々・・・

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京都市交響楽団の第661回定期演奏会に行ってきた。会場は京都コンサートホール。2021年10月15日。

 

 


指揮は沖澤のどかさん
ピアノ独奏は務川慧悟さん

曲目は、オールフランスプロで、
ドビュッシー:牧神の午後への前奏曲
サン=サーンス:ピアノ協奏曲第2番
ラヴェル:「ダフニスとクロエ」組曲、第1番、第2番


会場のお客さんの入りは5~6割ぐらいかな。ここ最近の京響の定期演奏会では2~3割ぐらいだったから、明らかに多い。沖澤さん効果?


本番前に指揮者のプレトークがあった。京響の定期演奏会ではほぼ毎回あるのだが、今回の沖澤さんはとても面白かった。所々にギャグを交え、しっかり楽曲の説明をしてくれた。印象に残っているのは、

・京響からはまるで合唱がいるかのような音が聴こえることがある。ベルリンフィルでもそんな音が聴こえることがあるが、他のオケでは経験がない。
・サンサーンスのピアノ協奏曲は気まぐれな曲。務川さんも気まぐれに弾くのでお楽しみに。
・ダフニスとクロエは小さな音で生まれて湧き上がって最後に最高潮になる部分がある。楽譜を見ながら体を揺らしていたら地震が来て本当に揺れてしまった


さて本番。牧神の午後への前奏曲から。

とても丁寧な演奏だと思った。きらめきもあるけど、もっとキラキラしてもいいかな。


次は、サン=サーンスのピアノ協奏曲第2番。

私はこの曲を初めて聴いたのだが、すごく激しく弾くのが大変そうな曲。ピアノの務川さんがすばらしくて、この難曲をガンガン弾く。そして、どこか柔らかい。テンポもよくてどんどん引き込まれる。このピアノに終始圧倒された。

オケもしっかり合わせて、迫力も十分。ピアノとオケとがしっかりタッグを組んだ名演。


休憩後は「ダフニスとクロエ」組曲。

ここで、沖澤さんの指揮が最高だった。ラベルの美しい世界がこれでもかと広がる。明るいきらめき、ロマンティックな美しさ、疾風怒濤の激しさ。どこまでも美しく、弱音から強音までクリアな音が響く。なんとすばらしいことか。

沖澤さんの落ち着いた指揮姿に思わず見ほれた。オケも指揮に反応して、きらびやかな音を出していた。京響はフランス系もすばらしい。


大変いい演奏会だった。指揮、ピアノ、京響の良さが光った。沖澤さんも務川さんもまた京響に来てほしいな。