エサ=ペッカ・サロネン指揮フィルハーモニア管弦楽団の兵庫公演に行った。
曲目は、ベートーヴェン・ピアノ協奏曲第3番とマーラーの交響曲第6番「悲劇的」。ピアノは、チョ・ソンジンという人で、ショパンコンクールの優勝者らしい。
さて、一曲目のベートーヴェン。サロネンの指揮と管弦楽の一体感がものすごい。(たぶん)ノンビブラートの音が身に沁みていった。
ピアノは、太く美しくて、まあこんなもんかなと思ったけど、第一楽章のカデンツァですごくきらびやかで目の覚めるような音を出していたので、最初からこれで行ってよ、と思った。
休憩後のマーラー。会場内が静かになるのを待たずあっさりとはじまったけど、最初から音の迫力が半端ない。エネルギッシュで快活で、パワーが途切れることがない。それでいてマーラーによくあるきたない野蛮な音は全く感じられず、どんどん演奏に引き込まれていった。
ずっと息をのんで聞いていたからどこがどうだったかなんてあまり覚えてないのが悲しい。でも、私がこの曲はこうあってほしいというツボに今回の演奏がことごとくはまって、とっても気持ちよかった。
第四楽章でそろそろハンマーと思って舞台を見ていたら、下手奥からドでかいハンマーが出てきましたよ。
『ドン!』
2回ハンマーがあったけど、タイミングがもうびしっっと合っていて、すごいなーと思った。実は、最初ハンマーが見えなかったので、ちゃんと出てくるのか?とハラハラしてたという、、、
そして、最後の音が消えると、指揮者の腕が高い位置で止まって、ゆっくりと下に降りきって、オケの楽器の持ち方が緩んだところで盛大なブラボー。関西でここまで静かにしてくれることはめったにないけど、さすがに今日の演奏ではみな圧倒されたんだね。私もかみさんと熱い握手を交わしました。
熱く、そして美しいマーラーだった。もう少し音量を抑えてもいいのではないかと思った箇所もあったけど、終わってみればこれでよかったんだと思う。疾走し続けた80分。
オーケストラ全員にブラボー!指揮者のサロネンも大ブラボー。でもカーテンコールで舞台に現れたサロネンは、もう体力を消耗しきったようなげっそりした顔つきだった。こんな大曲をあれだけ激しく振っていたら大変だろう。これだけの体験をもたらしてくれて、ありがとう!サロネン!