井上道義・大フィル・ブルックナー8番の感想 2015年1月24日兵庫県立芸術文化センター |   kinuzabuの日々・・・

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2015年1月24日
兵庫県立芸術文化センター大ホール
井上道義指揮大阪フィルハーモニー交響楽団
ブルックナー交響曲第8番

 席が左端近くの前方だったためか、ホルンの音が壁に共鳴して大きく響いて聴こえた。

 そのホルンがひどい音を出していた。第一楽章の初めの方は音程どころではなかったが、後半になると持ち直してきた。

 オケは、弦は、明るくつややかで、厚みがあり、しっかりとしていた。木管金管も明るい音。ティンパニも大迫力。ホルン以外の音は問題なし。

 オケのメンバーに女性が極めて多いことにも驚いた。朝比奈さんの時代とはずいぶん変わった。


 指揮は、第一楽章と第二楽章は面白くなかった。遅いのは仕方ないとしてメリハリがない。緩くはないが締めるでもなく、ただ淡々と進む。ブルックナーはテンポを変えずにと言われるが、それだけでは退屈になるんだと思った。

 いろんなとこで効かせる弦や金管のアクセントもなんか気になった。

 でもヤマの第三楽章で爆発した。テンポは変わらず淡々としているが、曲のすごみが増してきているような気がして、それが山となってどんどん積みあがって、火山の噴火の様に爆発した。

 第四楽章もそのながれが続いて、淡々と爆発する。最後も大爆発。ジーンときた。やっぱりブルックナーの8番だ。聴きに来てよかった。


 指揮が退屈だと思ったけれど、やり方の問題かもしれない。テンポを大きくいじったり、音の流れをぶつ切りにしたり、変に癖のあるアクセントをつけたりされるより、今回の演奏みたいに退屈でも淡々とすすめる方がこの曲の壮大さを存分に味あわせてくれるのではないかと思った。

 いろいろ文句はあるけれど、最終的にはいい演奏に出会えたと思う。次のブルックナーはヤノフスキ。楽しみ。