グスタフ・レオンハルト 5/27 西宮 |   kinuzabuの日々・・・

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昨日、グスタフ・レオンハルトのチェンバロを聴いた。会場は西宮の兵庫芸文小ホール。19:00~21:00。


私がレオンハルトのチェンバロを聴くのは初めて。老齢なレオンハルトはすっと立って現れ右手に手袋をしていた。チェンバロにも姿勢よくすわってきりっと楽譜を見ていた。

最初のルルーでは、音が硬かったけれど、だんだん緩んできてJ.C.バッハぐらいから、楽器から輝くような綺麗な音がした。彼の音楽は、チェンバロなのにタッチが柔らかく、リズムは微妙に揺れて、そのゆれが曲に絶妙にマッチして聴いていてとても気持ちよかった。

ほとんど目をつぶって聴いていた。集中して聴いていたかった。でも、時々、天井を見上げ、光り輝く音が天井にすうっと上り響いて消えてゆくのを感じたりもした。

やっぱりチェンバロの醍醐味は、超絶技巧。すごく早いパッセージをアルペシオで疾走するように演奏する。
デュフリの一曲(曲名は見てなかった)とJ.S.バッハの組曲ホ短調のサラバンドで大興奮。あのテンポで、あれだけ指が動くものだと感動した。

前半最後と後半にJ.S.バッハ。緩やかな揺らぎと細い音で、バッハの骨格は残していたものの、とても優雅で美しい演奏だった。年齢が年齢だけに昔の四角四面で硬いバッハを予想していたけれど、いい意味で期待を裏切ってくれた。

大変気持ちのいい演奏を一杯味わえ、帰り道もにこにこほんわか。ほんとうにいい演奏会だった。


来週はルセのチェンバロ。隔週でチェンバロの大家の競演。すごい一週間だ。