いよいよ久米可六との対局です!
前話からの続きです。
鬼殺しの構想?天野宗歩の実験!
とめじろうの左香車落としの対局です。
左香車落しの場合には、振り飛車にするのが定跡の様ですが、とめじろうは角道を歩で止めず駒組みを進めていきます。
これは「鬼殺し」と呼ばれる奇襲戦法の出だしで、アマチュアには愛好家も多い戦法ですが、プロの公式戦ではまず見られない戦法です。
江戸時代は今のように定跡の整備が進んでいないので、当時から本筋でない奇襲戦法とされていたか不明ですが、とめじろうの好戦的な意欲の現われと言えますでしょうか?
しかし可六は、とめじろうの挑発には乗らず角交換を自重(角交換するととめじろうの桂馬が跳ねて鬼殺しの乱戦の展開になる)しますが、とめじろうはガンガン駒をぶつけていきます。
とめじろうの三間飛車に対して、可六は銀を繰り出し、三間飛車を押さえ込みにかかります。
とめじろうも端桂などの趣向をこらしますが・・・
とめじろうの飛車取りの銀打ち(3七銀打ち)に、可六は飛車を逃げず、可六からも飛車取りと銀を打っていきます。
とめじろうの飛車取りの2六銀は、銀がそっぽを向いて働きが弱くなるという判断かと思われます。
とめじろうも飛車切りから可六玉に迫りますが、届かず無念の投了です。
いよいよ次は、久米可六との平手の対局です!
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