これぞ接待将棋の頂点っ!
裕福な町人や武士に指導対局を行う事は、収入を得ると同時に政治的関係を築くという意味で重要な活動だった様です。
いわゆる接待としての将棋という訳ですが、その頂点と言えるのが、将軍 家治との対局でしょう。
なんせ相手は現役の江戸幕府の将軍様ですから、将棋家としては勝敗よりもその棋譜を通じて、将軍と将棋家の両方の名声をあげる事が求められる訳で、接待将棋の技の粋を求められたといって良いでしょう。
本日はその中から、九代大橋宗桂との対局から。
この漫画の宗金(3コマ目の人)のおじいちゃんですね。
名人となる人ですが、この時点ではまだ名人ではありません。
この対局は横歩取りから直線的な進行となりましたが、この局面で将軍様の王はわかりやすい必至になってしまいました。
でもこの時おじいちゃん宗桂は、穏やかな顔で居た事だろうと想像します。
「将軍様、もう自陣をご覧になる必要はございません。さあ我が玉を詰めて下され。」みたいな。ね。
ここで投了となり、将軍家治の勝ちとなります。
この局面から更に進めると都詰み(5五で玉が詰む)になりますが、それは縁起が良くない(通常江戸に居る将軍様が、都にいる王となぞられて)と考えたかもしれません。
【仮定局面1】
【仮定局面2】(詰み=罪?)
この時が、将棋家の栄華の頂点だったかも知れません。
宗金も、この当時の復権に燃えていたんではないかと想像します。
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