その14からの続きです。
天野宗歩の棋譜は江戸時代の棋士としては多く残っていますが、その最も古い棋譜が、留次郎7歳の時の様です。
その将棋から。対戦相手はこの漫画で出てきた加藤看意です。
将棋は4枚落ちで上手の看意は6三金とせり上がってきました。
次に留次郎が指した手は驚きました。
みなさんも考えてみて下さい。
シンキングタイム!
はい、終了っ!
留次郎の指手は金銀の裏をつく7二歩打ちです!
押し寄せる金銀の圧迫に慌てふためく事無く、攻めて来いと催促する、冷静でありつつも好戦的な手は無いですか!
この後、この歩がと金となり桂馬を取って優勢となり留次郎の勝ちとなります。
後年、名人以上の実力と謳われた時の棋譜が残っているのはわかりますが、わずか7歳の時の棋譜を(将棋家の血筋の人間でも無いのに)記録されていたとは、当時から周りの人が留次郎の将棋の才に大きな「予感」を感じていた証ではないでしょうか。
この物語では看意を通じて、大橋将棋家にその才能が知れる所となり、門人への道を進むことになります。
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