”竹中平蔵はなぜ「反・緊縮」に転じたのか?” | よくいうかいえ ( Cahier)

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古布リメイク作家のつれづれ日記

今日も三橋貴明氏のブログで政治・経済を学びます。

 

竹中平蔵はなぜ「反・緊縮」に転じたのか?

 

 さて、竹中平蔵がTV朝日「朝まで生テレビ」で、
「財政均衡論は間違いだったことが判った」
「今年はまだ100兆円の国債を発行しても大丈夫。日銀が買い取っているんだから」
 と、衝撃的な発言をしたことが、話題になっています。


 そもそも、日本に「プライマリーバランス黒字化」目標を導入したのが、竹中です。

彼は端から「変動為替相場制の国の独自通貨国」すなわち「主権通貨国」の財政破綻などあり得なことを知っていたはずです。というか、財政破綻論に騙されるほど、バカではないのは間違いありません。


 それでも、なぜ緊縮財政に与していたのかといえば、もちろん「自分の利益拡大」になるためです。

 例えば、財政破綻論を煽り、地方交付税交付金を削減し、地方財政を悪化させ、同時に国民のルサンチマンを煽り、
「給料泥棒の公務員は減らせ! 公務員給与を下げろ!」
 といった空気を醸成し、自治体が仕方なく公務員を非正規雇用に切り替えていき、そこに竹中が会長を務めるパソナが「新規参入」し、ぼろ儲け。


 緊縮財政は「規制緩和」と「自由貿易」とのパッケージになるため、竹中らの「私益を拡大する」構造改革を進めるためには、緊縮財政が必須なのです。
 

竹中は、確実に「正しい貨幣観」を理解しています。その上で、「国家観」がない。あるいは、狂っている。


 結果的に、「正しい貨幣観」に基づく財政拡大を、私益拡大のために最大限、利用しようとしてくるでしょう。


 適当なBIを実現し、合わせ技で社会保障を削減。アメリカの民間保険会社の「ビジネス」を拡大するか。


 あるいは、今後、政府(及び自治体)の愚かな「自粛政策」により、飲食店が軒並み廃業し(特に、東京)、失業者が増えるのは確実です。
「ならば、失業者を政府が雇用しよう」
 と、JGP的なことを言い出し、そこに「割り込み」上前をはねるチャリンチャリンビジネスを目論んでいるのか。


 もっとも、緊縮路線を転換しないことには、我が国が「話にならない」のは確かです。 


 緊縮緊縮言っている政治家などには、
「竹中さんですら、財政均衡論は間違いだったと明言しているんですよ!」
 と、権威プロパガンダに活用しましょう。同時に、竹中に対しては、
「緊縮財政が転換されても、お前らの私益拡大のための政策は許さない。国民の「経世済民」のために、緊縮を転換するんだ」
 と、圧倒的な怒りの声をぶつけましょう。


 今が、転換期です。
 このタイミングで、財政破綻論と決別できなければ、我が国は将来的に中国の属国間違いなしです。悪夢の未来を避けるためには、わたくしは悪魔であっても利用しますよ。