”大阪市解体構想と政治の腐敗” | よくいうかいえ ( Cahier)

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古布リメイク作家のつれづれ日記

今日も三橋貴明氏のブログで政治・経済を学びます。

 

大阪市解体構想と政治の腐敗

 

 

先日のチャンネル桜↑でも取り上げましたが、大阪市を廃止、解体する大阪都構想なる「大阪市解体構想」が、またもや進んでいます。コロナ禍であるにも関わらず、11月に住民投票を実施する予定とのことです。


 改めて、大阪都構想とは大阪市を「都」にする構想ではありません。政令指定都市である大阪市を解体し、四つの特別区に編成。大阪府の管轄下にする構想です。


 結果的に、大阪市民の自治権は、大幅に削減されることになります。
 

 現在の大阪市は政令指定都市です。政令指定都市の市民は、市町村レベルの自治権が最強です。


 具体的には、地方自治法の中の「大都市に関する特例」という規定により、政令市と市は一般の市では都道府県が行うサービスのいくつかを、自ら提供できます。(児童福祉・生活保護・母子保健・食品衛生・結核予防など市民の健康や福祉など)


 さて、最強の自治権を有する政令指定都市に対し、「最弱」の自治権しか持たないのが、東京都の「特別区」です。


 特別区の場合、サービスの一部を「東京都」が提供することとなっており、一般的な市町村よりも自治権が小さくなっています。しかも、市町村税の一部は都税として吸い上げられている。
 

 わたくしは、港区民なので、保有する自治権が日本最弱です。逆に、最強なのが政令指定都市にお住いの皆様。もちろん、大阪市を含みます。 


 大阪市が廃止、解体されると、今は最強の大阪市民の皆様の自治権は、わたくしと同じになります。最弱化、です。


 また、2015年の住民投票では、推進派は大阪都構想で「大阪市民が豊かになる」といったデマをまき散らしました。厳密には、
「二重行政廃止。大阪を豊かに」
 といったスローガンが使われたわけですが、アホか。


 例えば、大阪市内で大阪市と大阪府がそれぞれ図書館サービスを提供していたとしましょう。これが二重行政ということで、大阪市の図書館を廃止した。
 

 さて、大阪市民は豊かになる? 貧しくなる?
 

 もちろん、貧しくなります。何しろ、大阪市の図書館で働いていた大阪市民が所得を失うのですから。


 要するに、

「政府が節約をすると、何となく自分が得をしたように思える」

 あるいは、

「節約はとにかく善。自分の損が減るはず」

 という「錯覚(つまりは、嘘)」に基づく、ありがちな緊縮財政のトリックなのです。実際には、政府が支出を減らすと、国民が貧しくなります。

 

 皆さんの所得は、誰かが支出しない限り創出されないため、当然ですよね。

 

と、「今回だけ」と2015年の住民投票を実施し、敗北し、五年後に平気で再投票に持ち込もうとする。恐ろしいほど平気で、まさに息をするように嘘をつく。


 政治の世界で、これだけ平気で嘘がまかり通っている。我が祖国は、落ちぶれた。

 

 安倍政権の様々な統計マジック、統計詐欺の数々を見ても、
「ああ、嘘がまかり通る政治は、本当に腐敗するんだなあ・・・・」
 と、現在進行形で理解できます。

 

『松井一郎市長(大阪維新の会代表)は「大阪市役所を廃止」と文言を変更するよう求めた』
『都構想推進派の大阪維新の市議は「(廃止が強調され)反対への誘導につながりかねず不公平だ」と話した』

 ・・・・・・・・・・・・・・。腐ってる。
 民主制において、多数決の結果は「正統」です。だからと言って、「正しい情報」を有権者に与えないのでは、民主制は維持不可能になります。理由は、敗者側が納得することなく、人々が分断されていくためです。


 特に松井市長、大阪市を廃止し、解体する構想について「大阪市役所を廃止」って・・・・。腐っているというか、もはや「狂っている」という表現の方が適切のような気がします。


 しかも、実際に大阪市が廃止されることになる構想の投票で、「大阪市を廃止」と書くと、「反対への誘導に繋がる」って。つまりは、この大阪市議は、
「正しい情報を伝えると、大阪市解体構想への反対派が増える」
 ことを、自ら明言していることになります。大阪市を解体するために、正しい情報を有権者に伝えないのが「善」だと言いたいのでしょうか。
 やっぱり、狂っていますね。


 この手の嘘つきどもが平気で跋扈するようになった結果、我が国は「政治」によりひたすら凋落していっている。それはまあ、腐りきった政治が「経世済民」のために動くはずがありません。