再び”衣袷ーきぬあわせー”作品のその他のテクニック
白絹(袷の着物の裏地)に墨で文字を書き込んだ服。
白と言っても、絹の白は生成り色の様々な濃淡があり
織り方も羽二重・紬と厚さもしなやかさも様々である。
先回「腐っても絹」と表したのは、「腐っても鯛」という表現を
布地に用いたので、本来は「朽ちていても絹」と言った方が良い。
ちなみに、書かれているのは、表に「衣袷」・裏に「きぬあわせ」
幼かった息子の手による毛筆書きです。
これは、着物の何処を利用したものだか分かりますか?
いまだに(教室の生徒は知っています。)当てた方はいません・・・謎です。
兎に角、”着物のあるがままをすべからく用いる”のが あきやま流です。
ただ単に「勿体ないから」ではありません。
そこには重要な精神が潜んでいます。
美しくスタイリッシュでなければなりません。
今まで何処にも無かった表現をせねばなりません。
ちなみに書かれているのは、「般若心経」276文字である。
古布作家の友に贈った白絹作品に友の母君が
書をしたためて下さった。 和歌が流麗な文字で
趣を加えられている。
自分で書く、子供が書く、親が書く、 そしてそれぞれの
思いが篭った文字がたゆたうのである。
あきやま幾代・古布リメイク 衣袷ーきぬあわせー HP →http://kinuawase.com/