こんばんは。
クラニオセイクラル・バイオダイナミクスのセラピストのkinukoです。
今日から、クラニオバイオに関する一考察をブログでやってみることにしました(不定期で)。
というのも、この1年間、クラニオの国際組織ISCBの資格取得の一環として、クラニオ研究論文を書いたことで、クラニオバイオに対する理解が深まり、技術にもフィードバックされたからです。
クラニオにはさまざまな流派と技法がありますが、
すごい技術を学んだ施術者がすごいのではなく、「自分自身(施術者)が知識と技術と統合して、クライアントに対して何をしているのかを腹に落とすことがいちばん大事なんだな」
と論文を執筆したおかげで気づきました。
ではさっそく本題に。
今日はミッドライン(正中線)について考えてみます。
クラニオでは、ミッドライン(正中線)という概念があり、
それがワークの重要ポイントの1つとなります。
クラニオは頭蓋ー仙骨システムにアプローチして、そこを流れる脳脊髄液の循環を良くしていくのですが、頭蓋ー仙骨システムはミッドライン上にあり、
私たち施術者は、セッションの際に、ミッドラインを意識してセッションをしていきます。
「正中線」と調べると、
①妊婦さんのお腹にできる線
②武道家が敵を倒すときや身を護るときに大事にする線
③治療家やスポーツトレーナーが健康維持の鍵とする線(背骨含む)
の3つが主に出てきます。
まず妊婦さんのお腹にできる正中線は、私たちが受精卵から細胞分裂したときの名残によってできるものです。
(おへそから下に入っている線です)
卵子が受精すると受精卵となり、それが細胞分裂していきます。
受精卵が胚子にまでなると、「原始線条」という線ができ、その線に沿って細胞が分裂し、外胚葉、中胚葉、内胚葉に分かれていきます。
正中線の始まりは、胎生学でいうと「原始線条」です。
原始線条は脊索となり、脊索はやがて脊椎(背骨)となっていきます。
面白いと思ったのが、妊婦さんのおなかにできる正中線は、実は男女関係なく誰でもが持っているものだそうです。
妊娠するとメラニン色素の影響で、細胞分裂のなごりの線がはっきりと線となって現れてくるのだとか。
実はクラニオバイオは、「受精卵」「胎児」と親和性が高いです。
認定資格のトレーニングでは、解剖学とともに胎生学も学びます。
なぜかというと、クラニオのセッションでは、受精卵の頃、まだ肺呼吸をする前に持っていた原初の力にアプローチするから。
クラニオのセッションでは、正中線を重視してワークすることで、その力を引き出していきます。(創始者のサザーランド博士からクラニオバイオを受け継いで発展させた研究者の一人が、胎生学に精通していたという理由もあります)
そして、クラニオバイオを受けると、
・インハレーション(拡張)
・エクスハレーション(収縮)
の交互の動きが、身体全体で起こります。
肺呼吸での広がりではなく、身体全体の拡張、収縮といった動きです。
それはまるで細胞が呼吸をするような広がり方。
この動きをクライアントと施術する人の双方が知覚したりします。
(この状態を、クラニオでは「液の身体」と呼びます)
また、これはあくまで私の体験ですが、
一度だけ、クラニオを受けている人の身体の外に「シャボン玉のような丸い玉」があって、
それがぷわーとふくらんだり、しぼんだり、
というのを、体感だけでなく、はっきりと肉眼で確認したことがあります。
目をこすりたくなるような不思議な出来事でしたが、
その時は、クラニオのセミナー中で、
セミナーの室内が静かさに満ちて、ある種特殊な空間だったため、
はっきりと肉眼でとらえられたのではないかと思っています。
クラニオバイオは「お母さんのお腹の中に戻るセッションですよ」と
アナウンスするクラニオバイオの施術者もいて、
胎内のやり直し、みたいなことは、実際、クラニオバイオであるような気がします。
別の話として、出生後の原始反射が不十分で、発達障害になった子供に対して、原始反射を行い発達を促すエクササイズ、
あるいは、幼少期の愛着が不十分で、ACの大人に対して「育て直し」をするプログラムなど、
・乳幼児の頃の原始反射のやり直し
・幼児期の愛着のやり直し
といった風に、「やり直し」をするセラピーはいくつか存在したりします。
トラウマセラピーもある意味、「トラウマを受けたときのやり直し」をして、フリーズした神経系を回復させます。
原始反射やトラウマなど過去に起こった出来事のやり直しができるのですから、
クラニオバイオによって胎児期に戻るーー、つまり「胎児期の名残が再現されている」可能性があるのかな?と感じました。
もちろんエビデンスはないですが、上記のような体験は、私だけでなく、世界中の多くのクラニオの施術者(プラクティショナー)とクライアントが体験しています。
考察になっていないかもしれませんし、飛躍しすぎのようにも思えますが、自分の備忘録、学びのためにこう考えたことは残しておきます。
次回は、武道でいう正中線について考えてみたいと思います。
(おわり)
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