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(右)

伊藤典夫 氏訳「新訳版 華氏451度」

Cover Design-ハヤカワデザインさん

 

(左)

宇野利泰 氏訳「華氏451度」

カバー 佐伯嘉隆氏

  

どちらもハヤカワ文庫です。

~~~~~~~~~

読者のみなさま

こちらのブログに

ご来訪いただき

ありがとうございます。

 

松永金時です。

 

戦前、戦後発表された娯楽本で

私が選んだ

MANIAXな本をご紹介する

 

松永金時の

MANIAXブックレビュー2023

 

すいません。ここ最近は、

「時刻表」だったり

「チェス解説書」だったり

イレギュラーなブックレビューでした。

 

どうもすみませんでした。

 

今回は、一応まとも?

王道ブックレビューです。(一応)

 

今回、ご紹介する本は、

 

早川文庫さん

伊藤典夫 氏訳「新訳版 華氏451度」

 

です。

 

本書は、

 

レイ・ブラッドベリ氏 

Ray Bradbury 

 

作品「華氏451度」を

FAHRENHEIT 451

 

伊藤典夫 氏が翻訳した

新訳版です。

 

ハヤカワ書房さんからは

いろんなジャンルで、たくさんの

新訳版が出版されています。

 

年老いた私には、新訳版が出版される前の

旧版の方を何度も読んでて愛着があり、

 

新訳版が出版されても

今更かよ、っと。

まったく読む気は、ありませんでした。

 

ある日のこと。

 

会社のD上司が出張のお土産にと

 

早川文庫さん

伊藤典夫 氏訳「新訳版 華氏451度」を

プレゼントしてくれました。

相変わらず自分で買わないという(汗

 

「ありがとうございます!」っと。

私は、D上司にお礼を言ったのですが

 

すでに、

早川文庫さん旧版の

宇野利泰(うのとしやす)氏訳「華氏451度」を

持っていましたので、

 

今更もらってもなぁ。と。

不届きなことを言ってたんです。

とんでもないコトです(汗

 

それでも、ただ持っていただけで

旧版「華氏451度」は読んでいませんでした。

 

一つに

旧版「華氏451度」を読む前に

NHK BSでフランソワ・トリュフォー監督

「華氏451度」を見ていた。

 

一つに

旧版「華氏451度」のページをめくっていって

 

最初に

 

華氏451度

ー本のページに火がつき、燃えあがる温度・・・。

 

とあってページをめくると

 

Joseph Mugnaini の挿絵です!!

 

Joseph Mugnaini の挿絵は

「新訳版 華氏451度」にも掲載しています。

 

この挿絵が衝撃的です!!

白黒なのに、あかあかと燃えています!!

 

Joseph Mugnaini の挿絵を

見たい方は、

「新訳版華氏451度」あるいは

「旧版」を購入して確認してくだされ!

 

Joseph Mugnaini の挿絵に

度肝を抜かれて、読んでいったのですが

数十ページで、旧版「華氏451度」を

読むのをやめました。

 

そんなこともあって、

「新訳版 華氏451度」をプレゼントされても

嬉しくなかったという。

D上司がこのブログを読んだら、

「もう買ってこんわ!」とおこられます(汗

 

その「新訳版 華氏451度」は読まずに

数ヶ月ほっといてたんですが、

 

D上司の手前、読んだ感想も言わんといかんから

とりあえず、数ページを読んだんです。

 

最初数ページ読んだところで、

フランソワ・トリュフォー監督

「華氏451度」も見てるし

適当に感想を言おうかと

思っていました。

 

ところが?!

「新訳版 華氏451度」は

すっごく面白かったです!!

 

読むのがすっごく遅い私が、

2〜3日で読み終えました。

 

まず、

「新訳版」は文字が大きく読みやすい。

 

次に

フランソワ・トリュフォー監督

「華氏451度」とは、全く話が違っていた。

映画を見て、途中で寝ましたもの。

 

そして、

「旧版」が、なぜ?読みづらかったのか

 よくわかりました。

 

同時に

「新訳版 華氏451度」を読んで

「翻訳」のむづかしさを知りました。

 

 

レイ・ブラッドベリ氏 

Ray Bradbury 

 

作品「華氏451度」について

FAHRENHEIT 451

 

「翻訳」のむづかしさを

説明するのに、わかりやすい

例を挙げます。

 

いきなりですが

「本能寺の変」です。

 

ドラマで定番なのが

 

明智光秀は、いろいろあって

織田信長から中国で戦っている

豊臣秀吉の援軍として

中国地方出兵を命令される。

 

明智光秀は、中国地方出兵に行かず

「敵は、本能寺にあり」と宣言して

 

本能寺に滞在していた

織田信長を急襲する。

 

明け方、本能寺にて

なにやら騒がしくなり

 

織田信長公は、目が覚め

控えていた小姓に調べさせると

 

本能寺に何者かの軍が

攻め入ってることがわかる。

 

織田信長公

「いかなる者の企てか」

 

小姓の森蘭丸

「明智ひゅうがのかみこれとうの軍勢かと」

 

織田信長公

「是非に及ばず」

 

・・・と。

 

いわゆる大河ドラマの

「本能寺の変」です。

 

明智光秀の

「敵は、本能寺にあり」

 

織田信長公の

「是非に及ばず」

 

実際に言ったかどうかは、

わかりませんが、

 

日本人なら誰もが知っている

であろう有名セリフです。

 

次に、

私が勝手に作った物語ですが、

 

会社員である主人公が、

身に覚えない

会社の裏口座が、主人公の名義に

なっていることが、抜き打ちで

行われた本社の監査でわかる。

 

仕事を首には、ならなかったが

来季は主人公が他の部署に

移動することがわかる。

 

さらに、主人公が、すすめていた

プロジェクトがライバルの部署に

横取りされる。

 

主人公の調査により

本社のある役員とライバルの部署との

深い関係を知り、動かぬ証拠を見つける。

 

そして、主人公は

「敵は、〇〇にあり」と言って

本社社長に直談判して、

張本人の役員に挑む。

 

張本人の役員は、主人公に

証拠を突きつけられ

 

「是非に及ばず」と言って

自ら役員を辞任する。

 

まぁちょっとありえない話ですが(汗

 

私が言いたいことは、

 

「敵は、〇〇にあり」

「是非に及ばず」を使うと

 

大半の日本人は「本能寺の変」の

ことを例に挙げているんだな、と。

説明しなくてもわかります。

 

もしこの話を英訳して

米国で出版したら

 

「敵は、〇〇にあり」

「是非に及ばず」については、

 

説明書きをつけないと

米国では理解されにくいと思います。

 

仕方ないことで

日本と米国の文化が違うからです。

 

レイ・ブラッドベリ氏 

Ray Bradbury 

 

作品「華氏451度」にて

FAHRENHEIT 451

 

「日本と米国の文化の違い」が

あったようです。

 

 

早川文庫 伊藤典夫氏訳

「新訳版 華氏451度」の巻末

出典より抜粋します。

 

第二部に多数現れる文芸作品からの

引用については

(略)

原書ではそうした情報は本文中に

ほとんど見当たらず

(略)

 

早川文庫 伊藤典夫氏訳

「新訳版 華氏451度」の巻末

「出典」より抜粋

 

上記のように

伊藤典夫氏は、「新訳版 華氏451度」の中で

引用される文章を「出典」として説明しています。

 

実際に一例を挙げます。

宇野利泰氏訳 旧版「華氏451度」

 

 

(略)

「男らしく、ふるまいましょう、リドリー教授。

今日この日、神さまのおめぐみによって、

イギリスの地に、聖なるろうそくをともす

ことになります。二度と、火の消える

ことのないろうそくを!」

(略)

 

宇野利泰氏訳 旧版「華氏451度」抜粋

 

早川文庫 伊藤典夫氏訳

「新訳版 華氏451度」は

(略)

「<男らしくふるまいましょう、リドリー主教。

今日この日、神のみ恵みによってこの

英国に聖なるロウソクを灯すのです。

二度と火の消えることのないロウソクを>」

(略)

 

早川文庫 伊藤典夫氏訳

「新訳版 華氏451度」抜粋

 

さらに

「新訳版 華氏451度」の巻末

出典より抜粋します。

 

<男らしくふるまいましょう、リドリー主教>

 

イングランド女王メアリー一世は

狂信的なカトリック教徒として知られ、

プロテスタントの有力な指導者を数多く

処刑したが、そのうち1555年10月、

オックスフォードで火刑に処せられた

ラティマー主教が、死の直前、ともに

処刑されるリドリー主教にかけたことば

 

「新訳版 華氏451度」の巻末

「出典」より抜粋

 

「新訳版 華氏451度」はこのように

引用文が説明されてます。

 

この引用文の説明があると

さらっと読んで、素通りする

単純に思えた文章に

厚みが増したのです。

 

さらに、

「新訳版 華氏451度」の巻末

「訳者あとがき」を読むと

 

なぜ、今回「新訳版 華氏451度」を

伊藤典夫氏が翻訳したのか?

 

そして、

如何に翻訳がむづかしいか。が、

わかります。

 

とはいえ、

宇野利泰 氏訳 旧版「華氏451度」の

巻末解説の

 

福島正実 氏の数10ページにわたる

「ブラッドベリ・ノート」は

 

本書レイ・ブラッドベリ氏 

Ray Bradbury 

 

・・・についての解説であり、

 

「華氏451度」を別の側面から捉えてて

とても濃い〜話です。

 

「新訳版 華氏451度」巻末の

伊藤典夫氏「出典」「訳者あとがき」を

読んで「翻訳」の大変さを知って

「翻訳」がイイとか、ワルイとか、

文句言ってた自分に反省。 

 

うーーーん

 

伊藤典夫氏の心血注いで翻訳した

「新訳版 華氏451度」は

さらなる魅力を増幅します。

97度合

 

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N氏からのいただき本

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今回のです。

早川文庫さん

中村 融氏 訳

「宇宙への序曲 新訳版」

↓↓↓

https://ameblo.jp/kintoki1962/entry-12834660187.html

 

 

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早川文庫さん

ザ・ベスト・オブ・アーサー・C・クラーク1

太陽系最後の日 について

↓↓↓

https://ameblo.jp/kintoki1962/entry-12672154163.html

 

 

 

 
 

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早川文庫さん

伊藤典夫 氏訳「新訳版 華氏451度」について

↓↓↓

https://ameblo.jp/kintoki1962/entry-12672154163.html

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河出文庫さん 

宮脇俊三氏「時刻表2万キロ」について

↓↓↓

https://ameblo.jp/kintoki1962/entry-12827224022.html

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