ありがとうEF81 503 | ゆうづるのブログ

ありがとうEF81 503

こんばんは。ゆうづるです。

 

昨年10月末に運用離脱したEF81 502号に続き503号も1/24のA32仕業(翌1/25の1056レで門司に帰区)をもって離脱したようで、Twitterには例の留置線に留め置かれている写真が上がっていました。

503号は2015年9月に全検施工されてから6年以上が経過していました。離脱前の使い方を見ていると502号と同じように検査期限ギリギリまで使って引退させようという意図が感じられ、最後の全検を受けるか?というほのかな期待も空しく運用離脱してしまいました。

これで500番台の現役機は昨年全検を通した501号のみとなってしまい「絶滅危惧種」の仲間入りですね。

 

2019年に弊ブログで503号機を取り上げた記事を上げましたが、今回一部編集して再掲させていただくことにしました。34年間にわたる活躍は同じ門司所属の303号機や716号機より短命ではありましたが、日本の物流を支えてきた功績は偉大なものがあると勝手に思っております。

私にとって503号機は新製試運転から最後の活躍までこの目で見届けることが出来たカマで、数あるEF81の中でも特に印象に残るカマです。それだけに今回の運用離脱は感慨深いものがあります。

それでは503号への惜別の念を込めて…

 

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503号機は今からちょうど30年前の1989年3月8日(平成元年ですね)に日立製作所より新製納入されました。製造名目は日本海縦貫線貨物列車増発用でした。

世の中はちょうどバブル景気の始まりのころで、貨物輸送の増大に伴いJR貨物発足後初の新製機関車としてEF66 100番台やED79 50番台と時を同じくして仲間の501号・502号機と共に登場しました。

配属先は先輩格のEF81が多数在籍している富山機関区です。配属後他のEF81と共に日本海縦貫線の貨物列車牽引に大活躍を始めました。

その後日本海縦貫線の貨物輸送に多大な貢献をしていた503号機ですが、2013年に九州の門司機関区に転属して今度は九州内の貨物列車牽引にその任務を変えたのでした。

503号機が門司に転属した際、今まで九州で大活躍していた銀がま304号が除籍されてしまったのはいささか残念な出来事ではありましたが…

そんな503号機と私の出会いはちょうど1989年3月8日、公式試運転の写真を撮影したところから始まりました。

 1989-3-8 常磐線我孫子駅にて

まさに冬の「なごり雪」の中での出会いでした。

新製公式試運転時に撮影したナンバーと製造銘板です。

 

ちなみに2019年の現在はこんな感じです。30年間の風雪に耐えた風格と渋さが何ともいえません。

 

1989年に新製配置された後も日本海縦貫線のEF81は何度も撮影に行っているのですが、503号にはなかなか出会うことがなく「疎遠な」機関車になってしまいました。

そんな中、やっと出会えたのがこの写真です。

1999-4-24 東海道線山崎~高槻間にて

またしても悪天候の中でしたが10年ぶりに出会うことができ、ちょっと嬉しくなったことを思い出します。

 

そしてそして、なかなか出会うことがなく次に出会ったのは14年後でした…

2013-4-13 羽越線村上~間島間にて

ようやく訪れた越後の春。咲き始めた桜の下を行く503号です。

この写真を撮影してから数か月後、まさかまさかの門司への転属が待っていました。この時はそんなことは夢にも思っていませんでした。

 

九州に行ってからは私がなかなか行く機会もなかったことから疎遠になっていましたが、去年久しぶりに九州の電気機関車達でも取りに行こうと思い立ち遠征した時に再び出会う機会が巡ってきました。

2018-6-22 鹿児島線赤間~東郷間にて

ちょうど夏至の日で撮影時刻は19時10分過ぎです。やはり西は日没時間が東京より40分近く遅いのでこんな時間でも明るく撮れます。

次位にはEH500がたまたま付いてくれて「これぞ九州」という写真がGET出来ました。

太陽が出てくれれば夕陽に照らされた渋い写真になったはずですが残念ながら曇ってしまいました…

 

そして2019年。

またまた九州に足を運びその姿を拝むことが出来ました。

2019-9-7 鹿児島線九産大前~香椎間にて

ようやく昼間の好条件下で撮影できました。

 

EF81 503号のご紹介でした。

九州のEF81・ED76はこの先いつ新型機関車に置き換わるか予断を許さない状況ではありますが、これからも機会あれば最後の時を迎えるまでできるだけ多く記録していきたいものです。

奇しくも503号機は平成最初の年に生まれ、平成というひとつの時代を貨物輸送一筋に駆け抜けました、新しい令和の時代になりましたがその任務を終える時まで活躍してくれることを切に願いたいものです。

 

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この記事を書いてからも何度か九州に足を運び、503号を撮影する機会に恵まれました。

2020-10-16 鹿児島線水城~都府楼南間にて

定番位置より少し前の直線で…

 

2021-5-27 肥薩おれんじ鉄道線 薩摩大川~西方間にて

海バックの503号が撮れました。雨上がりでいまいちな背景と前4空コキだったのが残念ですが…

 

2021-5-27 鹿児島貨物ターミナルにて

背後のクレーン車がなければそこそこの形式写真になったのですが…残念なショットとなりました。

 

2021-7-23 鹿児島貨物ターミナルにて

鹿児島らしさを狙いましたが…桜島が惜しい!残念!

 

2021-12-3 博多駅にて

これが現役最後の503号の記録となりました。

 

EF81 503号機経歴

1989年3月8日 日立製作所水戸工場にて落成 製造番号A10840-3 同日富山機関区に配属

以降日本海縦貫線の貨物列車牽引に従事

2013年 富山機関区EF510配置により余剰車となり、九州地区のEF81老朽廃車補充として門司機関区に転属

以降九州内の貨物列車牽引に従事

2022年1月24日門司機関区A32運用((ヨ)1056レ牽引)を最後に運用離脱

 

残った門司機関区のEF81ですが、恐らく次に運用離脱するであろうカマは716号と思われます。(最終全検2016年1月)

そのあとに検査期限が迫っているのが銀ガマ303号になります。(最終全検2016年5月)

EF81はもう全検を通さず検査期限の来たカマから順次運用離脱させるか休車をかけて延命させるかのどちらかになるのでは?と思っています。門司のスター303号機も最古参のカマですので今年が最後の年になるのではないでしょうか?

後継機のEF510-301号は来年度に入ってから本格的な試験が始まり、鹿児島や大分・鍋島あたりに検修目的で姿を現した後、本線で貨車牽引試運転を行うのではと思われます。もしかすると今年後半には量産機として302号機以降も配属され、公式発表されている2023年春の運用開始時には301号だけでなく数両の体制で営業に入るかも?

 

長~い記事になり恐縮です。おつきあいいただきありがとうございました。

それではまた。