さてさてどんな風の吹き回しか、MAXのシングルレビューをやっちゃう雨の午後。
なんでも、今年の夏久々にアルバムを出すようで(ただし企画ベスト系みたいだけど)。
地道に活動しているのは本当に嬉しい限り。
思えばMAXもデビュー24年目。紆余曲折ありながら、プライベートの変動も激しい女性によるグループでは異例の、オリジナルメンバーで活動を継続しているMAX。この間、ハロプロでも48でも10年選手が増えました、みたいな記事も見たけど、MAXの前ではまだまだですw
ここまで解散せず、変に欲目出してソロもせず、あくまでMAXの一員としてグループを築いてきた現在の4人(もちろん、途中加入していたAKIちゃんも。あの方がいたから生き残れたと思ってる)
メンバーが妊娠出産しても、カムバックして活動を継続出来る環境を実現。ガールズグループもやり方次第ではずっと継続出来るというモデルケースになったという意味で、一周回ってそろそろ再評価されても良いのでは、と。
そんな日本最長寿のガールズグループ、MAXへ愛を込めて。乱文シングルレビュー。
1st『恋するヴェルファーレダンス〜Saturday Night〜』 95.5.10
ファン以外はまず知らないであろう''MAX''のデビューシングル。
ーちなみにMAXデビューまでの流れを確認すると。
メンバーのMINAとNANAが安室奈美恵と同時に上京、SUPER MONKEY'Sとしてデビューしたのが1992年(当時は他にもメンバーがいて、入れ替わりもあった模様)。
1994年に、脱退メンバーと入れ替わる形でREINAとLINAが加入。グループは''安室奈美恵 with SUPER MONKEY'S''と安室奈美恵を明確に押し出す名義になり、間も無く1995年に『TRY ME〜私を信じて〜』が大ヒットしブレイク。
その後、安室奈美恵はシングル『太陽のSEASON』でソロ名義、SUPER MONKEY'Sの4人はMAXとしてそれぞれ歩み始める。
こんな感じ。ただMAXはこの時点ではまだ企画モノ臭が強い。同時期の安室ちゃん同様、MAXもしばらくユーロビートのカバーが続く。何気に日本語詩が秋元康だったりするけど、基本的にはタイトル通り『ヴェルファーレ』のテーマという一言って感じ。とてもじゃないけど、安室ちゃんとは違うMAXを外に売り出そうという感じはあんましないようなw
でも、やっぱりこれが記念碑的1曲に間違いはない。間違っても嫌いにはなれぬ。
2nd『Kiss me kiss me, baby』 95.8.21
もろ企画ソングって感じの前作とは違って、ちょっと売れ線の風格もある2nd。世間を巻き込む可能性を感じる楽曲。MINAが結構お気に入りと言っていた。ブレイクの予感を感じさせるのだが、MAXとして音楽番組に露出する機会はまだまだ少なかったようで(夜のヒッパレではレギュラーだったが)、同時期に安室ちゃんの『Stop the music』でまだSUPER MONKEY'Sとしてバックダンサーとしてしてたように、まだまだ一つのグループとして認知はされてなかったっぽい。『Stop the music』はヒットを記録する一方でこの曲はオリコン63位、1万枚以下の売り上げと結果も芳しくなく、MAXには沖縄帰還の危機が迫って・・・
3rd『TORA TORA TORA』 96.2.21
''この曲が売れなかったらMAX解散!沖縄に返す!''と事務所に厳しい(汗)条件を突きつけられた、まさに背水の陣的1曲。
結果は見事ヒット。グループ存続。この曲でMステやらHEY!HEY!HEY!やら、主要音楽番組に登場し、MAXとしてようやく世間にお披露目出来た印象も。
売れたからではないが、やっぱりユーロ期のMAXとしても一つ抜けて耳に残る代表曲といった趣。イントロから上がります。この事務所の、以後アイドルをユーロビートで売り出すという手法を確立したのはここがポイントだったのかも。SPEEDも当初はユーロビートでデビューする予定だったと言う。
去年一世を風靡した同事務所のDA PUMP『U.S.A』が実現した背景には、安室ちゃんの『TRY ME』、そしてこの曲の成功があるんだよ。若者たちよ。
4th『Seventies』 96.7.17
引き続きユーロ路線で今度はもっとポップで明るい感じ。ミスタードーナツCMソングというタイアップ付きのこの曲で、自身初のトップ10入りも記録(7位)。メンバーの名前も認知されるようになって、人気グループとして伸び盛り。歌詞が何気に世界観があって、元々虚構性が強いMAXの歌詞の中ではそれなりに味も感じる。そんなのどうでもよくなるようなノリの良さが一番なんだけどね。
尚この曲が出た直後に、安室奈美恵 with SUPER MONKEY'Sとして最終活動となる横浜スタジアムでのライブが開催。このライブを最後に、名義が変わってからも一緒の活動が目立った安室ちゃんとMAXが本当の意味で独立した。
よく不仲じゃないか、MAXが安室いじめたんだろとかネットでアレコレ言う人もいるが、それはないと思ってる。このライブのアンコールで、安室ちゃんが歌いながらMAXの一人一人とハイタッチするシーンをみる限り。。。
5th『GET MY LOVE!』 96.10.9
ユーロもこれで5作目。個人的にはユーロなMAXで一番好きな曲。一番テンポが早く感じる事もあり最高にノリノリな1曲。年末の音楽番組でもこれをよく歌ってた模様。この頃のユーロビートを、カラフルなワンピースとか比較的可愛らしい衣装を歌う路線は一旦ここで見納め。
羽根がヒラヒラ舞って来るPVも印象的。
この年の年末に出た1stアルバム『MAXIMUM』は全曲ユーロビートカバー、正にユーロ路線の総決算的内容だった。アイドルとしては異例の130万枚の大ヒットを記録し、一躍トップグループになった。アイドルはアルバムが売れづらかったりするが、この時点でシングル売り上げが20万枚前後のMAXがミリオンを達成したのは正に快挙だった。
MAXといえばユーロというイメージが確立された感があるけど、実は我が好きなMAXはこの後からだったりする。
6th『Give me a shake』 97.4.9
1997年一発目。カラフルな衣装でユーロビート、てな感じのあのMAXが、黒のスーツファッションで身を固め(しかもちょっと肌見えてる)、R&B路線の挑発的なダンスナンバーをビシッと歌う(ちなみに自身初のオリジナルナンバーである)。
案外思い切ったイメチェンだった気がするがこれは大成功。みんなが真似できるキャッチーな手振りや、ユニゾンで通す歌い方はまだ続行しているが(後半でMINAとREINAの掛け合いがあるけども)、アイドルとしても更に高みに上がる感じ、いわゆる人気上昇期特有の煌めきも手伝った最高のパフォーマンスだった。
そして遂に初めてオリコン1位を獲得。結果的には唯一の首位獲得だが、50万枚近く売り上げ、MAX最大のヒット曲となった。
歌番組の時、NANAの頭はパイナップルみたいに(by タモリ)
しかしそんなところすら、MAX自体がノリにノッてきて、自己主張を始めた事の象徴、と言っておこ。
7th『Love is Dreaming』 97.7.30
R&B路線第二弾だが今度は更にボールドでカッコいい出来。実はこれ洋楽カバーなのだが、全く持ってMAXにしか思えない馴染み具合である。ラップパートが随所に入ったり、何と言ってもダンスがちょっと突っ込んでより高いパフォーマンス性にシフトしたりと、MAXのポテンシャルを更に押し拡げる感じが。
あとこの曲で外せないのが衣装。下着の見えるようシャツはだけさせた感じで、前作より更にセクシーな方に振ってきたのだが、これが当時小学校入ったばかりの俺にはきつかったw(色気というものへの耐性がなかったって意味で)
ランドセル背負いたての俺には、セクシーな衣装で大胆に歌い舞うMAXより、ラフな格好で『Wake me up〜!』とか歌っちゃうSPEEDの方が良かったのであった(そのSPEEDのhiroも後年『MAXはブラが見える衣装でカッコよかった、私たちはTシャツで短パンだったんで』とその点に触れていた)。
まあねえ・・・でもMAXもSPEEDも俺には永遠(下手くそか)
8th『Shinin'on,Shinin'love』 97.10.29
和製アンヴォーグ路線(勝手にそう呼ぶ)で突き進むMAXの1997年のトリはこちら。これは完璧です。名作。MAXの曲で一番好きだ。
歌い出しハイトーンのフレーズでビシッと始まったと思ったら、低音中心の上物と今まで以上にリズム強調の打ち込みサウンド、アダルトな曲調、時折ガンガン鳴るオーケストラルヒット。超〜カッコいい。歌って踊れるハイポテンシャルなアイドルの曲としてしっかり作られた名作。そこに更に激しくなったMAXのダンス(後半の間奏のキメキメのダンスは最大のハイライト)が重なり、ボーカルもよりカッコ良くなりまして、これは名曲名演と言わざるを得ない。
あ、ちなみに僕はカラオケでこれを完璧に歌い踊りますよ(誰得)。MAXのカッコ良さの7割減でね(おいおい)
ここまでの3曲を収録した2ndアルバム『MAXIMUMⅡ』は引き続きミリオンセラーを記録。このアルバムはR&B系かっこいいお姉さんグループMAXの集大成であり、隠れた名作だと思うのでb●●koffとかで見つけたら是非。
とりあえずここまで第一弾ってことでここで収めます。