夏に聴きたいアルバムをよくレビューしてたので、またまた思い出したアルバムをレビューしてみよう。

 

今回はMY LITTLE LOVERの1stアルバム『evergreen」である。

以前、クレープコリオグラフィーノブナリ名義でブログを買いてた時、マイラバは全シングルレビューとか書いたりするほど、我はマイラバ好き(そっちのブログはアド変わって立ち入れなくなったので、後々マイラバシングルレビューもこちらに書きます)。

 

マイラバことMY LITTLE LOVERは、1995年に小林武史プロデュースで、結成当時音大の女子大生だったAKKOと、本体のバンドが解散してたギタリストの藤井謙二の二人組としてデビュー。

1st『Man&Woman』、2nd『白いカイト』は、いずれもこの年の夏ロングヒットを続けた。名前が認知されたところで、3rd『Hello,Again〜昔からある場所〜』は185万枚の大ヒット、デビュー数ヶ月にしてミリオンアーティストの仲間入り。特にこの当時10代〜20代の若者だった人にとっては、鮮烈だったのではないかなーと、アラサーの我は思う。

 

その結果、1995年末にリリースされたこの『evergreen』は、当時1stアルバムとして史上初の初動(発売初週の売上ね)がミリオンセラーを達成。あれよあれよと売れ続け、最終的には280万枚という空前の大ヒットに。

 

小林武史は80年代より杏里、サザン、渡辺美里、大貫妙子等様々なアーティストの楽曲提供やプロデュースで実績を積み、自ら歌ったソロアルバムを出した事も。そして何より、1992年に送り出したMr.Childrenのプロデュースで大成功。同年代でイニシャルも同じ小室哲哉と共に著名プロデューサーとして活躍。

この『evergreen』は、そんなコバタケさんが培って来たポップセンス、テクニック、そして感性をフルに活かした珠玉のポップアルバム。

 

AKKOの歌声にしても、フジケンのギターにしても、楽曲のカラーを決定づける強烈な色味があって、でも自然体でもあって、それこそがマイラバの魅力。デビュー前、特段歌い手としての訓練を行って来なかったAKKOの歌は、技巧はなくとも非常にこちらに訴えかけて来るものがある。他のボーカルに替える事が考えられないもんね。

 

そんなこんなで、実は自分の人生で、総てのアルバムで、一番好きなこのアルバム(夏に聴きたいとかって枠超えてたww)

 

乱文全曲レビュー、行ってみよー

 

 

1.Magic Time

 

タイトルは日入り後、すぐの数十分の時間帯を指す。エレピ、グロッケン、畝るベースラインに、ご機嫌且つ程よく抑制されたギターサウンド、シャッフルビートと音が段々に展開。地味というか渋い曲で、歌が上手い人が歌うととりあえずお洒落な歌だと思いそう。しかしAKKOのたどたどしい声が乗る事で、ただお洒落な歌として流れる事なく、可愛さと凛々しさもしっかり感じる、そんな曲。聴き進める毎に楽しくなる曲。

 

 

2.Free

 

シングル曲にも引けを取らない解放的なアップナンバー。実際CMでもO.A.されてたとか。モータウンっぽい感じもあるかな。人生を色々夢想したり、でも『あなた』がいなくて焦がれたり、と行った特別じゃない女の子の日常。AKKOの声は個性的だけど同時に普通の平均的な女の子っぽさも内包してる。

 

 

3.白いカイト(Album Version)

 

2ndシングル。かなーり細かいシャッフルビートに乗せて、バンドサウンドとホーンで夏の快晴が目に浮かぶ名曲。マイラバとして初めて製作された曲でもあるとか。近頃はまさにこの曲が似合う季節ですなー。恋心をカイトに例えた心象表現が素晴らしい。AKKOの声は、前述の平均的な女の子っぽさの一方で中性的な、それこそ声変わり途中みたいな少年っぽさを受ける時もあるけども、この曲はその少年っぽさが強く出てる感じ。

 

 

4.めぐり逢う世界

 

これもシングルみたいなんだよなー(声大きめ)。とってもキャッチーな楽曲。自分も後追いで最初聴いた時、シングル?って思ったもんね。狭い部屋の中のリアルから、窓を開けたら世界が拓ける、希望に胸が震えるみたいな、そんな身近さの中のスケールを感じる。ある意味このアルバムのカラーを最も端的に表してるかも。

 

 

5.Hello,Again〜昔からある場所〜

 

3rdシングル。これはね、もうね、ため息が出る名曲よね。。

何と言ってもあのギターのイントロのフレーズ。余計なものの一切ない、シンプルで、でも何か尊くて、まるでもう二度と触れられないあの青春時代、みたいな(何があった)

 

二度と触れられないものって、美しいんだよ(だから何があった)

 

とっても気高い名曲。

この曲は一々ツボである。裏で薄く鳴るオルガンやら、感想のオーボエやら、最後のサビ前のどん!!やら(w

もちろんカラーを決めてんのはフジケンのギター。サビでの劇的転調とメロディーの美しさ、AKKOの歌声、良い部分が多すぎて乱文具合に拍車がwww

音量目一杯上げて聴くことをオススメします。

 

 

6.My Painting

 

雰囲気はガラッと変わり、軽快なビートに乗せた初期マイラバらしいポップナンバー。AKKOの甘々なボーカルが素晴らしい。ちょっとおフレンチな感じもある佳曲。音の抜き差しの匙加減の妙に、コバタケの当時の神がかったセンスと執着を感じずにはいられぬ。ハロアゲの後でも全く退屈にならない。この構成も良いね。

 

 

7.暮れゆく街で

 

軽快なビートの楽曲が中心のこのアルバムにおいて、目立つビートのないこのアルバムの『底』にあたるこの曲。重くてダウナー。マイラバの総ての楽曲の中でも異質。AKKOも作詞に参加。

ちょっと重いメロディーを歌うとAKKOはつられて声色も重くなるので、何歌っても上手いの一本調子みたいな人よりよっぽど歌い手としては優れているように思う。この曲聴くとね。『悲しいほど愛してる あなたが他人になる』

 

 

8.Delicacy(Album Version)

 

個人的に、このアルバムの中でもかなり上位の曲。恋愛についてちょっと斜めったというか、あくまでカラーとして頭でっかちになってみた感じの歌詞が愛らしい。デリカシーは大事よ。そうよ。アウトロが長く、割りかし長い曲なんだけど楽しい緊張感を持って聴ける。良い曲ですわ。

 

 

9.Man & Woman

 

デビューシングルですねえ。畳み掛ける言葉数の多いサビが強烈にキャッチーで、楽しくて、これぞポップス。仕掛けがとっても多い曲でもあって、5分歌いっぱなしでも全く飽きない。陽性の楽曲に対して歌詞は切なくて、胸が痛いやつ。『いつかはーhey hey hey』という歌詞、かつての人気音楽番組『HEY!HEY!HEY!』を意識したんですか?と、同番組で昔華原朋美が質問したらしいw

実際この曲でいきなりHEY!HEY!HEY!出てたんだけどね。そしてデート帰りですか?と冷やかされてたんだけどねww

 

 

10.evergreen

 

こんな曲で終わるところなんて、当時のマイラバは活かしてます。壮大なスケールに乗せて、恋愛の体裁を取りながら、自然色のフレーズで紡ぐ美しい世界。『永遠の緑は心に広がってる』ってフレーズはね、このアルバムそのもの。常緑樹という意味もあり、永久不変という意味もある、タイトルナンバーとして一切名前負けしてない曲です。

昔家族で熊本の阿蘇を車で旅行した夏、この曲がかかった時すっごくピッタリすぎた思い出(うわ関係なー)

 

 

2015年にはコバタケ自ら音を現代仕様にしてリニューアルもしてるから、聴き比べも面白い。まあ元々アレンジもしっかりしてるんだけど。

 

夏にドライブしながら聴きたい、しかし免許はない、だから部屋で聴くわ٩( 'ω' )و