GWは着物の虫干しや、大掃除、そして読書三昧です。

 

「姉妹の家」は、イギリス北部のヨークシャーの牧場農園にポツンと建つ邸宅が舞台です。

アラフォーのドイツ人夫婦がクリスマス休暇中だけ借りて、移り住むところから話は始まります。

 

着いてすぐ、わずかな食糧だけしかない状態で、数十年に一度クラスの豪雪に遭遇し、孤立してしまいます。

 

停電、電話の不通、そして降り続く雪。

 

夫は納屋にあったスキー道具を身につけ、命懸けで食糧店までの長い道のりを目指します。

 

並行して語られるのが、この邸宅の以前の女主人フランシスの少女時代から亡くなる70歳代までの数奇な人生です。

 

自叙伝を偶然にドイツ人の妻が見つけ、読み進めるという形式で、フランシスの人間関係と第二次世界大戦前後の世界が描かれます。

 

イギリスの広がる牧草地と、閉鎖的な人間関係、その中で生まれる愛憎悲劇は一代では終わらず、このドイツ人夫婦をも巻き込んでいくのです。

 

トーンはずっしり暗いですが、なかなかの読み応え、嵐ヶ丘を思わせる作品でした。

 

 

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