明けましておめでとうございます。令和8年、丙午の新春に際してご挨拶申し上げます。
昨年当クリニックは、9月を以て開業15周年を迎えました。これもひとえに皆様方のお引き立てのお蔭と感謝申し上げます。地域になくてはならない医療を提供する癒しの場として、引き続き精進して参ります。
さて、クリニックの大きな出来事として、一昨年に続く快挙がありました。当院のデータの一部を用いた論文が世界的な学術誌のThe Journal of Clinical Endocrinology & Metabolismに採択され、共著者の栄誉を賜りました。2型糖尿病患者で、血糖を上げるホルモン(グルカゴン)が、以前報告したサブ分類(クラスター分類)のそれぞれで特徴的な分布をしていることを世界で初めて明らかにした報告です。もしかしたらグルカゴンがオーダーメイドの治療法を選択するバイオマーカーになる可能性があり、今後の進展が楽しみな分野です。
5月から運動療法を開始したのも特筆すべきことです。東洋医学の基礎である「医食同源」からヒントを得て、「医食“動”同源」として運動療法を加え、新たな展開を探りました。一昨年は経営基盤を大きく揺るがす診療報酬の改訂に振り回されましたが、食事指導に加えて運動療法をコツコツ始めたことで日常臨床のモチベーションが高まりました。プレリミナリーでしたが、患者様からかなり好評ですので今年も継続して参ります。
また、健康保険証のデジタル化に伴い、顔認証システムを導入したことも新しい取り組みでした。まだ普及率は高くはなく、従来の保険証も使えますが、国は今年の夏頃までには電子化を進めて行くようです。高齢の方を取り残さないよう従来の方法も織り交ぜながら取り組んで行きたいと思います。ただ、発熱で来られた患者さんも同じところで顔認証をするので、動線が重なります。現場で混乱することは予想できると思いますので、物事を取り決める際にはよくよく検討して頂きたいものです。
人事では、受付の二人が常勤として復帰し、やっと受付、会計、レセの業務が落ち着きました。残念なのは、雨の日も風の日も遠くから頑張って通勤されていた比嘉ナースが退職されたことです。先日自宅近くのクリニックに就職されたと伺い、安心しました。当院には新しく金城ナースが入職されましたので、若手ホープとして期待し、今後のお二人のご活躍を祈念しております。
今年の大きな転換点は、冷蔵庫、クーラーなど様々な設備の老朽化に伴い新たな機器の買い替え、特にこれまで15年間使用していた電子カルテを新規に導入する必要があることです。毎日、受付、会計、検査、処方にわたる全ての業務に関わる相棒とも言うべき電子カルテです。1月~3月はこの衣替え期間として準備する予定で、慣れるまでしばらく手間取ることが予想されます。職員一同、患者様にご迷惑をお掛けしないように取り組んで参りますので、我慢してお付き合い頂ければと思います。
昨年の年筮は「同人」という卦でした。志を同じくする良き協力者がテーマと思い、右往左往しながらも自らの態度を決めて進んできた気がします。今年を占うと「水天需」の卦を得ました。解釈が難しいのですが、生き物は雨水を待ち続け、食物を求めます。必要欠くべからざるものは、飲食であり宴楽である、という卦です。食事を制限するばかりでなく、その必要性と精神的な楽しみをサポートできるのか、もしくは、患者様の日々の生活になくてはならない存在-必需(エッセンシャルワーカー)-であるのか、存在価値が問われている気がします。
120年前の丙午の年には私の祖父が生まれました。その年は米も豆も豊作で、曽祖父母はとても喜んだと聞きました。60年前の丙午は、最大瞬間風速85mの第二宮古島台風(コラ台風)が吹き荒れ、記録的災害が発生しました。国際情勢も未だ解決できない問題があり、新たな混迷の様相が報告される年明けになりました。未来の予測はできませんが、困難を共に乗り越え、今年一年、穏やかに過ごせることを祈念しております。
今後とも変わらずご指導ご鞭撻よろしくお願い申し上げます。
令和8年正月
医療法人太平会
キンザー前クリニック
島尻佳典






















