講師は小室先生。
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まずは運動系についておさらい。
均整法でいう運動系とは、身体運動に関わる器官、骨格系、皮膚、筋肉系、神経系をひとまとめにした解剖学上の概念ということでしたね
均整法では体型によって性格、行動の特徴を分類しています。
なぜこういったことが言えるのか、運動系から考えてみました。
体性運動神経系の伝導路には、骨格筋の随意運動を支配する錐体路系と、運動を反射的、不随意的にコントロールする錐体外路系があります。
人間は他の動物と違い、錐体路系がよく発達しています。
逆に鳥類などの古い脳をもつ生物は錐体外路によって行動しているようですね
よって、人間は意思のあり方が運動系に関わり、姿勢という形で表に現れる、と言えるということです
療術の歴史なんかを辿ると、この錐体路、錐体外路をいかにして扱うかというところに各療術の特徴が出ていたりしますね。
心と姿勢の関わりについて、少し体験をしてみました。
気分が落ち込んでいる人は、うつむくような姿勢が多いです。胸を張って落ち込んでいる人はいませんよね?
ネガティブなことを考えながら姿勢を作ると、体を思い切り伸展させているときはなかなか思考に集中できなくなることに気付かされます。
落ち込み気味の人は、こういった姿勢を施術で作ってあげると良いでしょう
筋トーヌス(筋緊張)
筋トーヌスとは何でしょうか。
筋肉は、どんなに弛緩した状態でも一定の弾力があります。
よく、電気製品の待機電力に例えられたりするのですが、姿勢の保持や運動の準備、体温調節のためなどに常にわずかな緊張があり、これを筋トーヌスと呼びます。
精神的な緊張や不安感はトーヌスを高めます。
緩めてもすぐ戻ってしまったり、手足を操作しようとしたとき脱力しきれず抵抗感があるようなクライアントは、このトーヌスが亢進していると言えます
こういった緊張している人には、先に頭の緊張をとってあげると効果が出しやすいようですね
またセオリーとして、脊髄神経の興奮があると筋肉に刺激が入りにくいため、まず内臓、自律神経系を整えると調整がうまく行きやすいとのことです
というわけで、簡単な頭の緊張をとる手技を練習しました。
受けている人はだんだん眠くなって来た、などと感想を言っていました
筋紡錘、腱紡錘(ゴルジ腱器官)
体には、急激な運動などでの損傷を防ぐセンサーのような器官が存在します。
それが筋紡錘とゴルジ腱器官ですね。
筋紡錘…筋腹に多く、筋長の変化をモニターしている。急に筋が引き伸ばされた時、反射で筋を収縮させる(伸張反射) 。
有名なところだと、膝の下をコンと叩くと、反射で大腿四頭筋が収縮して下腿が跳ね上がる膝蓋腱反射がありますね。
大抵の人はやったことがあるのではないでしょうか
ゴルジ腱器官…筋腱移行部にあり、筋の収縮、静的なストレッチなどにより腱が引き伸ばされた時に筋を弛緩させます(Ib抑制)。
筋紡錘は早い速度に反応しますので、ゆっくりと筋に張力をかけて伸張反射を誘発せずにIb抑制を起こすことが筋を緩めるコツになります。
これに呼吸による自律神経の作用を利用したものが均整法の筋肉操縦法だと思います。
筋肉操縦法がうまくいかないと感じている方は、この辺を意識して行うと功を奏すのでないでしょうか
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30A助講師 稗島昇平
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