Boy◇Four

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中1,春。

あたし達は中学生になった。
幸い,クラスは同じでこれからまた楽しい日々が始まると思っていた。


そんな中。
たった1つの噂が流れた。


“真中李空と神山琉伊って付き合ってるらしいよ。”


そんな事実,本当は無い。
だけど,それが本当なら良いと願う自分が嫌いだった。


『ねぇ,いつから付き合ってるの?』
『いいなぁ,あんな格好いい彼氏がいて。』


沢山質問されても,あたしはそれが嘘だとは言わなかった。

もし,言ってしまったら全てが終わってしまいそうで。

だからあたしは,肯定も否定もしなかった。

だけど琉伊も,そんなあたしにも,噂にも何も言わなかった。

その代わり,琉伊はあたしを避けていた。

嘘をついているあたしに関わりたくないのか。

この噂が嘘だと,行動で現そうとしているのかは分からないけど。


琉伊があたしを避けている。

その事実が凄く辛かった。
Boy◇Three

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小6,秋。

『琉伊,おはよ。』
『おはよ。』

この頃のあたしは他の子になんか負けたくなくて,自分から挨拶してみたり。
そこから初めていた。

他の人にとってはなんでもない事なのかもしれないけど,あたしにとっては凄く大きくて,特別な事なんだ。

元から,琉伊と家族ぐるみで仲の良かったあたしは,他の人よりは少し有利だからといって安心しようと思っていた。

でも,実際そんな事まったくなくて。

自分自身,不安を少しでも無くそうと思っていただけだった。

本当は,挨拶するだけでもドキドキしてて。
体が震えそうになる時もあった。

周りの子の視線がいたくて,泣き出しそうになる事もあった。

だけど,あたしは少しだけ強くなった。
他の子に負けないように,きっとなった。

辛くても,それが恋だと思うから。

諦めたくないから。

今は,片想いでいい。
いつか,努力して。

この恋を叶えてみせるから。
Boy◇Two

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──小5,夏。

『ゥチ,琉伊に超アピっちゃお-。』
『えー。あたしも!』

それは,プールの授業。

女子達はここぞとばかり琉伊の元へ駆け寄る。

あたしは琉伊の彼女なんかじゃない。
だけど,琉伊が女子に囲まれてる姿なんかみたくなかった。

『…李空。』
『心亜ァ。』

心亜(ココア)はあたしの親友で誰よりもあたしの恋を応援してくれていた。

『あんなのに言いよられてもきっと琉伊は嬉しくないって。』
『…うん。』
『大丈夫だって。』
『うん。』

心亜はそう言ってくれるけど内心全然大丈夫じゃない。

あたしは琉伊が好きだけど,琉伊は別にあたしじゃなくったって他にも沢山いるんだもんね。


『琉伊,やっぱ格好いいね。』
『さすが琉伊。』
『泳ぎ方教えてくれない?』

嫌だ。
聞きたくないよ。
そんな声。

てか,小5のくせに何大人ぶって。
外見も中身もガキの癖に。チャラチャラして。

あたしとは…正反対。
あたしも,もっと軽くなればいいのかな。



どうすれば好かれるか。
離れないでいてくれるか。
そんな事ばかり考えていたことを今でも良く覚えてる。